俺の中学校は、通学路とは別に近道があった。
かなり複雑な道で、千切れた鉄条網、膝ぐらいまである草、地面のぬかるみ・・・。
だが、10分は短縮できたので、いつもそこから行っていた。
中二の冬だったかな。
帰り道だった。
千切れた鉄条網をくぐろうとしてはっと横を見たら、10mくらい先の地面にポッカリと穴が開いていた。
そこから見ても分かるぐらいだから、近付くとやっぱり結構大きかった。
幅1mくらい、深さは2mくらいだった。
勿論、朝この場所を通った時はそんな穴など無く・・・。
穴の中をよく覗くと、土に塗れた小さな人形があった。
足は片方折れていて無かったが、顔は何故かやけに綺麗。
角度を変えてもっと見ようとして、あることに気付いた。
穴の側面、つまり穴の横側にもう一つ穴があったのだ。
『どうしよう、気になるなあ・・・』
そう思い、降りて行ってやろうと決め、身を屈めた瞬間、側面の穴から何か飛び出てきた。
折れた人形の足だった・・・。
汚い土の色に、綺麗な肌色がよく映えていた。
??と思って穴をよく目を凝らしてみると、ゴソゴソと何かが動いていた。
穴の中に誰かいるんだよ。
それ以降、その道は使っていない・・・。