俺は現在30歳の地方で会社員をしている♂(独身)です。
話は3年前に遡ります。
当時今勤めている会社とは別の前の会社に新入社員の女の子が入社してきました。
その子は清楚な感じの髪の長い(腰ほどもある)女の子で、俺自身もひと目で惚れ込み、どーにか仲良くなろうと色々アプローチしてみました。
その甲斐あってか、3ヶ月経たない間に俺達は付き合うようになりました。
その子(Mとします)は気持ちのとても優しい子で、真剣に俺を好いてくれました。
ただ、俺と付き合うまで彼女には彼氏がおり、その彼氏にかなり精神的にも肉体的にも負担させられていたらしく、悩んだ上で彼氏と別れ、俺と付き合うことになったと言う過去もありました。
その事が、彼女自身を苦しめていたことを俺はなかなか気づいてあげられませんでした。
そして、彼女は精神面でも俺にどんどん依存してくるようになり、その頃から俺達は少しずつギクシャクし始めました。
離れてほしくないためか高価な物を俺に貢ぐようになり、断ると泣き、喧嘩になる・・・。
この繰り返しで俺の気持ちはどんどん冷めていき、ついには別れる決心をするまでになりました。
「お互いの為にならないから別れよう、付き合いだした頃は幸せだったけど、今はその気持ち、重いんだよ」
こう言ってMを突き放し、別れることになりました。
僅か交際期間3ヶ月という短いものでした。
勿論俺も彼女を人として好きでしたし、俺とは別の彼女の重さを支えきれる人と交際して幸せになってくれれば、と思っての別れでした。
職場恋愛だったこともあり、周囲からもなぜ別れたの??など、変な目で見られることもしばしばでしたが、俺自身仕事場ではかなり激しく険しい性格と思われていた為か、彼女が同情されてたみたいでした。
さて、別れてからも相変わらず彼女の俺依存は続き、毎日来る電話とメール、束縛と嫉妬にはいい加減うんざりしてました。
別れる前と変わらず仕事中、仕事終了後かまわずのメールは、俺に新しく恋人ができるまで続きました。
新しくできた恋人も職場の人間で・・・。
しかも毎日顔を合わせる相手だったためか、さすがのMも気を使って連絡を控えてくるようになりました。
それから半年。
俺は恋人と婚約し、Mは仕事を辞めました。
直属の上司と合わなかったのが原因で、辞めるな!と何度も止めましたが、仕事を辞めたMは新しい職場で彼氏ができそうだ、とメールしてきたきり、2ヶ月ほど連絡してきませんでした。
俺のほうは、腰を痛めたのを契機に転職を考え、尊敬していた上司の失脚と同時に会社に辞表を提出しました。
と、同時に恋人に逃げられました。
再就職も決まった1年前、Mから連絡がありました。
彼氏とはうまくいっている、地方に行っても元気で、仕事頑張ってね・・・・こんな内容でした。
最後に、また色々相談に乗ってくれる?
と言ったのが気になりましたが・・・。
転職も無事終わり、新しい環境に移ったところで再びMからちょくちょく連絡が入るようになりました。
彼氏から暴力をふるわれる。
心の支えになってくれる人が近くにいない。
あなたの声だけでもいいから聞きたい。
こんな事を毎日毎日電話してくるようになりました。
ちなみに、新しい仕事は前職と違い、シフト制の為、深夜でも仕事中だったりします。
その為、疲れきっているときに愚痴を聞かされることもしばしばでした。
ある日、サビ残で20時間ほど仕事場に缶詰の日がありました。
疲れ果てて、気分も悪くて、眠くて意識も朦朧としていたときにMから電話がありました。
『「妊娠した」と言ったら彼に捨てられそうになったので降ろしたら殴られた、どうしたらいいの??』
・・・と。
そこで相談に乗ってあげればよかったんだけど。
言い訳ですけど・・・キレて怒鳴ってしまったんです。
『鬱陶しいんだよ、重いんだよ、度と電話してくるな!!!』
・・・と。
次の日の夜、Mの母親からMが飛び降り自殺をした、と連絡がありました。
Tさん(俺)宛の手紙があるから見てくれ、と・・・。
頭が真っ白になりました。
正直、新しい職場の人間関係は劣悪で、その頃女性がヒステリーを起こして空気最悪なムードだったので、おいそれと休むわけには行かず、後悔と苦悩の日々が続きました・・・。
ちょうど4ヶ月前の出来事です・・・・。
俺が殺した
俺が死なせた
俺があの時突き放さなければ
俺があの時別れなければ
俺が
俺が
俺が
毎日毎日そのことばかり考えていました。
仕事も手につかず、頭の中も空っぽになってしまいました。
俺もいっそ死んでしまいたい、と思ってもみましたがそんな勇気もわかず、遺書も見れないまま1ヶ月が過ぎました。
彼女の死から1ヶ月でやっと連休が貰え、彼女の実家へ行くことができました。
彼女の遺影には大好きだった白のワンピースを着た優しい笑顔をしたMが写っていて、それ見ると泣けて泣けて・・・。
Mの俺宛の遺書には、『会えて良かった、一時でも好きでいてくれてありがとう。早く素敵な人見つけて私の分も幸せになってね。』
そう書いてあり、俺への非難や恨みは何一つ書かれていませんでした。
Mのお墓へも行ってきました。
こんな寂しいところでMは眠ってるのか・・・・・と物悲しくなってしまいました。
そして、Mへの気持ちを胸に、新しい自分の人生と、自分なりの幸せを見つけようと心の中でMに誓って自分の居場所へと戻りました。
Mのことを忘れるくらいがむしゃらに必死に、仕事に励みました。
余談ですが、彼女の最後の場所はうちの実家のすぐ近所の25階建ての商業ビルで、うちの母も騒ぎを聞いて、しかも自殺したのが息子(俺)の元交際相手と知ってずいぶんつらい思いをしたようです。
何度も現場に花を持っていったりしてくれていたようで・・・・。
親にまで嫌な思いをさせて、最悪ですよね・・。
ただ、我が家は母方が神主の家系と言うこともあり、俺が憑かれてしまうのではないかと祖父母両親随分心配しているようです。
実際、俺が大学時代には妙なところに足を踏み入れたせいで、いろんなものを連れ帰ったりして酷い目にあってたので。
話、戻します。
クリスマスになり(僅か半月前ですが)すごく気も合い、趣味も合い、将来を考えることもできる人と付き合うか、と言うことになりました。。
勿論、Mのことを正直に全て話しました。
『事情はどうあれ、俺が殺したようなもんだ、それでもいいの?』と聞くと彼女は『いいよ。』と全てを受け入れてくれました。
そして、クリスマスの夜から俺達は付き合うことになりました。
俺の変化はその頃から始まりました。
まず、クリスマスの夜。
彼女と一緒に過ごした日から、ほとんど眠れなくなりました。
寝ると必ずMが夢に出てきて何かをぶつぶつつぶやきます。
何を言ってるのかはわかりません。
そして、部屋のフローリングがほかに誰もいないのに足音がするようになりました。
特に眠りに入るとき、確実に誰かがいる!!という感覚があります。
気のせいかと思っていましたが、もはや酒なしでは眠れなくなってしまいました。
1人で夜を迎えるのが怖くなり、彼女がいるときは極力彼女の部屋に行くようにしました。
彼女のいない夜は(今夜みたいな)酒を飲んで早めに寝るようになりました。
職場から緊急で電話がかかっても電話が取れず、職場から苦情をしばしば受けるようになりました。
ノイローゼになりそうな毎日が続き・・・・そして4日前の出来事です。
Mが枕元に現れました。
夢だったのかどうかわからないけどはっきり言われました。
『恨んでる』と。
夢か、幻か・・・。
俺の上にMは乗り、ぼそっと言いました。
『羨ましい』
髪に隠れて顔は見えませんでしたけれども、間違いなくMでした。
そして、夢でも幻でもありませんでした。
そして、次の朝、仕事から帰ってきた彼女に言われました。
「Tと寝てたらいつも髪の長い女に首絞められる夢見るんだよねw」と・・・・。
とてもじゃない、Mの霊のことなど言えませんでした。
それから、部屋で1人になるとMが現れます。
何をするでもなく、じーっと、こちらを見ています。
昨日、職場のバイトの子に「Tさん、霊が憑いてますよ、髪の黒くて長い、綺麗目の女性に執着されてますよ、騎乗位が好きな人じゃないですか?そういうイメージが見えますよ。素人にコレだけ見えるんだから相当やばいですよ」と言われました・・・・・・。
自分自身、この数日でえらく心と身体を削られていってるのを実感しています。
昨日は職場でデスクワークしながらうとうとしていて、お疲れ様ですwと同僚に声をかけられて思わず叫び声をあげてしまいました。
「早く祓ってあげないと取り殺されますよ」
部屋に帰るのが正直怖いです。
1人でいるとMが出てくる(見えてくる)
今朝、おばあちゃん(神社をしている)から電話がかかってきました。
『何か、妙なことになってるんじゃないのか』と。
聞けば昨年撮った一族の集合写真、俺のところだけ黒ずんできているらしい。
そして、俺の上に髪の長い女が馬乗りになり首を絞めている夢を何度も見たらしい。
ばあちゃんは「仕事休みになったらかえっておいで」と。
実は昨日、ノイローゼ気味になったから冬期休暇を取得します、と申告してきたので明日から休みなのです。
だから、明日実家に帰ります。
そしてお払いしてもらいます。
俺、殺されるかもしれません。
・・・というより俺、きっと殺されるんだろうなって確信があります。
誰かに聞いてもらいたくて、誰かに助けてもらいたくてここに書きました。
もしも続きが書けるようになりましたらまた報告しますね。