これは高校の時の話なんですが、オレは週末になるとよく友達のとこに泊まりに行ってた。
二~三人集まってまぁゲームしたりしてたわけです。
「何でお前は赤亀ばっか出るんだよ~」とか言ってたら煙草が無くなった。
高校生だったし、お金も無かったんでAにお金無いか聞いたら無いとの返事。
話し合った結果、近所にある神社の賽銭箱を漁ろうって事になった。
んで夜中の1時~2時頃かな?二人して神社に行ったら賽銭箱の鍵が開いててさ、小声でラッキーとか笑いながら漁ったらいくらかにはなった。
さぁコンビニ行くかって事になり自転車にまたがりふと神社の脇道を見た時だ。
道の向こうから誰かが走ってくるのが見えた。
小さい人影だったけど二つ不審に感じた事があった。
一つ目はピンクの傘をさしていた事。
ちなみに雨は一滴も降っていなかったし、夜中に日傘もないよな。
二つ目はその人影がオレ達(特にオレ)を目指して走ってるのが感じ取れた事。
その道には他にも脇にそれる道はたくさんあったが、人影がこっちに向かってるのがオレには分かった。
上手く言えないし、人影がこっち向いて走ってるからそう感じたのかも知れないけど、なんとなく分かるんだよ。
賽銭ドロした直後だったから正直、怖いと思った。
普通ありえないだろ?
晴れた夜中にピンクの傘さした人影がこっち向かって走って来るんだぜ。
咄嗟にAの方を見ると何も気付かずチャリをこぎ始めてやがる。
オレはその場から逃げてすぐAに追い付き「逃げるぞ!こげ!こげ!」とまくし立てた。
最初Aは「は?なんだよ?おい待てって!」って言ってたけど、理由を説明してる暇なんかねえし、賽銭ドロした後だからあいつも後ろめたかったんだろう。
二人して必死こいてチャリこいだよ。
逃げてる途中、首筋に布みたいな柔らかい物が触れたけど気になんかしてらんなかった。
まぁなんとかコンビニまで行って煙草買って帰宅したさ。
部屋に着いてからAに説明を求められた。
当然だよな。
全て話すとAはこう言った
A:「お前も知ってるかもしれないけど、最近この辺りって葬式がよくあるだろ?その中の一件が婆さんなんだ、よくピンクの傘さして歩いてたよ、そういやあの婆さんあの神社に掃除やお参りしてたみたいだ」
聞いた途端だ、CDの音が連続で飛び出した。
怖くなって二人で謝りまくったよ。
次の日、二人でお供え物持参で神社に謝りに行った。
おっと、カネの出所を聞くのはヤボってもんだぜ。
あの人影は今だに覚えてる。
書いてて怖くなってきた。
お婆ちゃん、ごめんな。