高校の頃、部活の合宿があって、鹿児島県の山里に行ってきた。
以前は別の施設での合宿だったが、昨年からそこの宿になったらしいが、特に変な噂は聞いてなかった。
が、着いてみるといかにもオンボロで出そうな雰囲気。
周囲にはポツポツと民家があるだけでも救いだった。
夕食を終えて、部屋に戻るときに、何気なく廊下の窓から外をみると、裏手の藪の中に明かりがついているのを見つけた。
窓の反射?と思ったが、あきらかに外。
友達に言うと「民家じゃないの?」という。
別のやつらに言うと「あそこは森だから民家なんかないだろ」「おばけだ!」「幽霊だ」と盛り上がってくる。
何人かは「行ってみようぜ」ということになったが、他のよくある話にありがちなように肝試しにいくことはなかったw
次の日の朝、廊下で見てみるとやはりそこに家はなかった。
日中はすっかり忘れてたが、その日の夜にはまた明かりが。
しかも何となくフラフラっと動いているようにも見えた。
特にたいして仲の良くない連中たちが「行ってみるぜ!」と言いだし、数人で出かけて行った。
すると少し経ったあと、「ギャー―!!!」という大声が響きわたった。
声の主はわからない。
教師も出てきてワイワイガヤガヤとなり、大混乱状態になった。
それでまぁいろいろとあって次の年の合宿は中止。
数か月後、連中の一人に「あれなんだったの?」と聞いたが、「わからん」と言うだけ。
「でもアレはやばかった」と声を震わせながら語った。