以前O市の御岳山へ2人で登った。
確か今くらいの新緑の季節だったと思う。
あと少しで見晴台?と頂上方面への分かれ道に差し掛かる一本道で下山して来る男性と遭遇したんだ。
その男性は傍目にも判るほど真っ青な顔をしていて、ひどく落ち着かない様子。
「上へ行かれます?」と訊く口調に否定的なものを感じ「どうかしましたか?」と返すと、どうやら“出た”みたいなんだけど、彼も興奮していて説明はいまいち要領を得ない。
「急に気持ち悪くなって・・・」
「霊感なんて全くないのにこんなのは初めてで・・・」
“視た”わけではないらしく具体的に何があったかも判らないが、不思議なもので「私霊感あるんです」って言われるより説得力はあった。
男性は人と会えて話せたことで少し落ち着いたようで、「やめたほうが良いですよ」と行って下りて行った。
自分自身霊感はないし、霊体験も一度もない。
どうしようか迷っていたら、同行者が「幽霊ってのはあると思う、山は特に」と。
仕事柄、普段の言動からもリアリストだと認識していた人にそう言われたことで怖くなり、結局曇りだったけど途中の見晴台でお昼を摂り、其処で折り返して下山したんだ。
ニアミスだけどこれが唯一の霊体験だから気になってる。
ねぇ、あそこって何かあるの?