本当はもう一人男の子がいたらしい・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

母親の実家は典型的な田舎農家で、婆ちゃんと伯父さん夫婦、従兄と従妹の五人家族。
うちは都会住まいで、子供の頃は毎年夏休みと冬休みに数日泊まりに行ってた。

朝と晩は両方の家族が大きな卓を囲んで一緒にご飯を食べるんだけど、いつもその場に婆ちゃんは居なかった。

当時は「家長は家族と一緒に食事しない」みたいな地域のしきたりでもあるのかな?と思ってたんだけど、まああんまり深く考えなかった。

数年前に婆ちゃんが亡くなって、その時に母親から、婆ちゃん家は本当は五人家族ではなく六人家族だったという事を聞いた。
従兄と従妹のあいだにもう一人、男の子が居たんだそうな。
(恥ずかしい話なんだけど、俺この男の子の事、全く憶えてない。母親に教えてもらうまでずっと婆ちゃん家は五人家族だと思っていた)

従兄と男の子がまだ幼児だった頃、婆ちゃんが二人のお守りをした事があった。
その時になにか急な用事が出来たらしく暫く二人から目を離してしまった。
用事を済ませて戻ってくると男の子が居なくなっていて、必死で捜したところ男の子は裏庭にあった池に落ちて溺死していた。

自分の不注意で可愛い孫を死なせてしまったという自責の念と、伯父さん夫婦への申し訳ない気持ちもあってだんだん家族と離れて食事をとるようになったんだと。

今、婆ちゃんと男の子は一緒のお墓に入っていて、墓石の裏の戒名も隣同士に彫ってある。

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