私が中学生の時の話です。
私は学校から直接、友達と一緒に塾に行っていました。
塾に向かう道の途中には大きな廃屋(むしろ豪邸と表現するべきかもしれない)があります。
何か不気味な雰囲気を纏った廃屋でしたが、特に怖い話は聞いたことがありませんでした。
ある日、友達が風邪で休んだので私は一人で塾に行くことになりました。
てくてくと歩いていって、廃屋の前に差し掛かった時、女の人がそこからふらっと出てきました。
廃屋から人が出てきたことを少し不審に思いましたが、声をかける理由も無いので、そのまま行こうとすると、その女の人がこちらを向いてニコッと笑ってきたのです。
私は少し怖くなりましたが、とりあえず笑顔を返しました。
次の日、友達が登校してきたので、その事を話してみると「あの家はずっと使われてない。見間違いじゃないですか?それとも幽霊とか!wあはははははははは!」とか何とか言われ、しこたま笑われました。
しこたま笑われた私は、あの女の人を見間違いだと信じることにしました。
かなり無理がありますが・・・。
女の人を見てから一ヶ月ほど経って、クラスの仕事で遅くなった私は塾に一人で行くことになりました。
その日は別の友達(以下Iくん)が忘れ物をしていたので、それを塾のついでに届けようとしていました。
それには、またあの道を通らなければかなり遠回りになってしまうので、あの道を通ることになりました。
するとやはり、あの女の人がいるのです。
私がそこを通り過ぎると、女の人は私の後を歩いてついてきました。
そこからIくんの家まで行くには、道を何回も曲がらなければ行けません。
それでも女の人は私の後ろを微笑みながらついてきます。
私は女の人に「ついてくるな」と言おうと思いましたが、女の人の家がこの道の先にあり、なおかつ私が通り過ぎた時にたまたま帰ろうとした、という可能性があるので言うことができませんでした。
Iくんの家に着き、そこで30分くらい話をしました。
塾に遅れるわけにはいかないので、Iくんの家を出ると、女の人がIくんの家の外にこっちを見て、微笑みながら待って(?)いたのです。
流石に怖くなった私は、ダッシュで逃げました。
しかしどういうわけか、女の人は私の10メートルくらい後ろをゆっくりと歩いてついてくるのです。
女の人は歩いているのにいっこうに引き離せず、私はかなり焦りました。
そこからは振り向かずに本気で逃げました。
かなりいい記録が出たんじゃないでしょうか。
大通りに出るころに、私は一度だけ振り向きました。
やはり女の人はいました。
女の人は大通りに出ると追いかけては来なくなりました。
走っているときは気づきませんでしたが、思い出してみると、追いかけてきていた時の女の人の顔は、どうにも私に似ていたような気がします。
ドッペルゲンガー現象なんでしょうか。
自分に会ってしまったら死んでしまうって言われてますよね・・・。