親父の生霊にちがいない

カテゴリー「不思議体験」

俺が小学5~6年の頃。

夏休みになると親父の長距離トラックに一緒に乗り生活していた。

ある晩、俺は寝台と呼ばれる席で寝ていたが目が覚めカーテンを開けた。
親父がいない。
トラックは道端の端にハザードランプで停止している。
時間は深夜1時だった。

目の前にファミレスがあった。
ファミレスの中を見ていたら親父がいた。
親父はファミレスの角の通路へ入って行った。

俺は「あートイレにでも行ったんだな」っと思った。
親父が角に入ってから5分、10分、20分。
あれ?長いな、おかしい。
俺は急に不安になりファミレスへ向かった。

ファミレスに入った。

店員「いらっしゃいませー」
俺「今さっきお父さんがあの角に入っていったから見てきて良いですか?」

店員「あートイレですか?いいですよー」

俺は角を見に行ったら正面はトイレだった。

トイレへ入った。
いない。
大便もチェックしたがいない。
俺は軽く泣いた。

あれ、あれ、いない、なんで、

俺は店員に聞いた。

「今さっきお父さんがあの角のトイレに入っていったんですが、どこ行ったか知りませんか?」っと半泣きで聞いた。

店員は「え、えっと店にはね女性2人しか居ませんよ?」
俺「え、いやお父さん絶対いました、見たんです」

もう泣いた。

店員は「いやいや女性しか入ってませんよ大丈夫かな?ぼく一人?」

など色々怪しまれて来たので、ここには居ないんだと理解し「ごめんなさい、もういいです、すいませんでした」っとトラックへ戻った。

トラックの寝台へ戻りなんでだよどこ行ったんだよっと泣いてたら、ガチャっと音がした。
親父だ。

俺は泣いている顔だったので涙を拭い眠そうなふりをし「お父さんどこ行ってたの?」っと聞いた。

そしたら道がわからないから歩いて見てきたらしい。

俺は何気に「お父さんあの店のトイレ行ったでしょ?」っと聞いた。

親父「ん?トイレか?トイレなんていってねーぞ」

俺は頭の中が真っ白になった。
確実に親父がファミレスのあの角を入っていったのを目撃したからだ。
見間違えなんかじゃない作業服も黄色っぽいし。
目覚めてカーテン開けて親父いなかったから不安で頭フル回転でギラギラ目覚めてたし。
見間違えじゃない。

俺「え、お父さんがあのファミレスの角に入って行くのみたけど?」

親父「は?まートイレ一瞬行こうとは思ったがな入ってはねーぞー寝ぼけてんのかお前?さぁ時間ねーし行くぞお前は寝とけ」

そう言われそうか寝ぼけてるのかと思い寝た。

今考えたらあれが親父のトイレ行きたいという意識だけが飛んだ生き霊ドッペルゲンガーってやつだったんだなと確信はしている。

後々考えたらファミレス入っている合間に親父がトラック帰ってきて出発していたらと考えると今でもゾッとする。

これが今まで生きてきて一番怖かった不思議なことでした。

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