短くなる生命線

カテゴリー「不思議体験」

私の実家はぶっちゃけ田舎県の田舎市の田舎の方と言っていいくらいのどかなところです。
過疎とかではなくて、子どもはいっぱいいます。

内海に面しているためか食べ物はおいしいし気候は安定しているし、怖い噂もほとんどありません。

ひとつだけ、全国的に有名なホラースポットがあるけど、全然通ることもない場所にあるし、今でもいったことありません。
ていうか、私は中学終わるころまでそんなのがあったこと知りませんでした。
そこも今では取り壊されてなくなっちゃいました。
ここまでいうと場所バレちゃうかな・・・。

まあ現代ではそんな感じですが、昔からこの辺りには怖い話はそんなになかったみたいです。

地域学習で調べた時も、残酷なお話はなくて、少し離れた所に御伽噺みたいなのばかり。
どうやら実家のある辺は新しい地区で、古い話は少ないみたいで。

家々がこみいってたっていうのもあるんだろうけど、変質者も出ることはなかった。
少なくとも私がいたころは。

これはそんな平和な地区であったこと。

小学校4年生の秋。
その年の秋だけ私はなぜか、夕方の散歩なんてことをしていた。

毎日学校から下校して玄関にカバンを置いたあと必ずやってた。
時間は下校後なので、16時~18時くらい。

近くの坂の上の空き地から夕日を沈むまで眺めて、家に帰る。
それだけのことだったけど、夕日がすっごくきれいだったから飽きることなく毎日通ってた。

でもある日、夕日を見たあと家に帰る途中、ふと坂の反対側の向こう側まで行ってみようと考えた。

向こう側は田んぼが広がる開けた土地で、その中の一本道が通学路だったんだけど、今でもなんでそんなことしようと思ったのかわからない。
ココ覚えていてください。

坂を下っていく時、道の真ん中に誰か立ってるのが見えた。
日暮れだったから見えにくかったけど、白い服を着てたからわかった。

一本道が続く前に別の道と交差して、辻になってるところがあって、そこに立ってた。

見るからに怪しい人だった。
地区全員の顔を知ってるわけじゃないけど、私の知らない人だった。

でもいつの間にか私は、その人に挨拶して話しかけていた。

ここからの記憶がひどく曖昧なんだけど、たぶん私は、連日その人のもとへ通った、らしい。
辛辣なことを話して言われて、その頃の私はひどく精神が不安定になっていた、らしい。

数年後母に聞いた証言と併せて考えるとこうなる。
「空き地にいないと思ったら帰ってきて散歩行ってたって・・・」

”彼と”は結局、そんな私を心配した母の引き離す作戦によって引き離された。

この部分に関しては投稿するスレ間違ってるかもしれないけど、彼と会えなくなってから、彼を好きだったことに気づいて、大号泣。
彼と出会った秋になると泣き、バレンタインに泣き・・・・・・・・・。
ほぼ毎日泣いてた。

それから母を恨んだりもしたけど、私を思ってしたことだって当時からわかってたし、憎みきれなかった。

それに直接接していたときも、最後のころはちょっと彼の雰囲気に違和感?を感じていたから、諦めは早かった。
でも潔くなくて、その後10年彼を好きなまんまでした。

これだけで終わるならただの人(仮)と少女のラブストーリーなんだけど、オチがある。

一番おかしいのは、彼がいなくなってすぐ、私の生命線がものすごく短くなったことだ。

具体的に言うと、普通の付け根からしたまである生命線が10だとすると、0.8くらいになった。

私も何気なく見た手の平がこんな異常事態とは思わなくて、めっちゃ驚いた。

10分くらい自分の手の平凝視してた。
ちなみに両方の手の平とも短くなってた。
強いて言うなら左手の方がより短かった。
以前はちゃんと付け根から下まであったんだけれど。

私は彼のことを怖いと思ったことはなかったし、時期が一致しすぎてるとはいえ彼のせいでこうなったとは思わなかった。
危機察知能力には自信あったから。
他の要因があるかもしれないと思おうとした。

でもやはり当時は、子ども心ながらに、気づかないうちに、とてつもない「約束」や「失敗」をしてしまったような気になって、それに巻き込んでしまうような気がして、周りの人間に言い出せなかった。

その後2年くらい経ったあとようやく言えた。

ちなみに母は私の生命線見て血相変えて「大丈夫よ生命線の長さはそのまま寿命の長さじゃないからね大丈夫よ」って言い続けてた。
かえって不安になった。

友だちには彼がいなくなってからすぐこうなったということも話したので、冗談だと思ったのか、笑いとばしてくれた。

信頼できる友だち何人かだけに話したのだけれど、その子たちにも彼のことを話していなかったので、「そんなことあったんだね・・・」って同情もしてくれた。

けどそんな友だちたちも、私の手の平見ると固まってた。
それほど短かった。

その時点でなんか私がやばいものに呪われてんじゃないかとみんな密かに思ったらしい。
結構最近の女子会で発覚した。

話した友だちのうち、特に仲が良い子には彼とのことを詳しく話した。
当時はまだ記憶も鮮明だったので、彼と話したいろいろなことを彼女にも話した。
今では彼女のほうが覚えてたりもする。

そしたらこういわれた。

「その人妖怪で、A(私)ちゃんの寿命とっていったんじゃないの?」

言われた瞬間は「まっさかあー」と言い返そうとした。
けど、いろいろ指摘された。

例えば、上記に覚えていて欲しいと書いたこと。
なぜ私は坂の反対側へ行く気になったのか。
それは彼に呼ばれたからかもしれない。

なぜ警戒心が強い私があれほど素直に喋っていたのか。
それは彼が魅惑する術?のようなものを使ったのかもしれない。

そしてあの頃からAちゃんは見るからにおかしくなっていったと言われた。
ため息ばかりつくようになったし、時々変なことを話すようになったし・・・etc。

そしてそれは誰の目にも明らかで、先生から親へ連絡が行ってたのも後日知りました。

私はそんなふうにいろいろ指摘されて、そういえばあの人とはじめて会ったのは夕暮れの辻で、夕暮れが逢魔が時ともいったり、辻には鬼が出るという言い伝えもあることを思い出しました・・・。

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