俺が中3のときからだけど、急に金縛りに遭うようになって、酷いときは毎晩のように夜中に身体が動かなくなった。
そのたびに自分の上に何か乗ってて獣みたいな息遣いが聞こえてきたけど、怖くてついに一度も目を開けることができなかった。
親に相談しても全く相手にしてもらえず、自分で霊媒師に頼むこともできなかったんで、高校卒業まで我慢して上京したらようやく金縛りからは解放されるようになった。
空いた俺の部屋は母ちゃんが使うようになったんだけど、それから母ちゃんも金縛りに遭うようになったらしく、それでも俺と違って怖がりじゃないんで金縛りの最中に目を開けてみたら、恐ろしい形相のタヌキが自分の上に乗っかっていたとのこと。
俺の金縛りの原因もどうもこのタヌキらしい。
さすがに怖くなってその筋の人に見てもらったら、どうも俺の家の建っている場所と周辺が昔沼地だったらしくて、そこの沼地に嵌って苦しみながら死んでいった動物の霊が周辺にウヨウヨしているとか。
自分の向かいの家の男の子が5歳くらいで亡くなったんだけど、その子は動物霊に連れて行かれたという話だった。
その後家を建て替えることになって、そのときに念入りにお祓いしたら、それ以降は家族は誰も金縛りには遭わなくなった。