気持ちの悪い家に引っ越してしまった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

兄が中学生になるとのことで、家族で近くに家に引っ越しをしたときの話です。

築40年以上の家で古臭い一軒家なのですが、その家に変なものが大量にありました。

カラフルに色ずくミラーボールや甲冑、大量の漢字が書かれた札。
そして、大量の剥製でした。

大きいものは虎から小さいものはネズミまであり、私は親から穢れるから触るなと言われました。

お祓いをし、何度も清めました。

もうないはずとのことで家に入れてもらえることとなり、落ち着いたときに私が兄と家でかくれんぼをしました。

私が隠れたのは畳の間で押し入れみたいなところの上の部分です。
おとなしくしていると、横に何かがあるのに気が付きました。

這って近寄ると黒いさらさらしたものに触れました。

「◯◯みーっけ」

兄に見つかり、襖を開けられ光が入ってくると、全体が見えてきました。
カラスの剥製でした。

「にいちゃん、カラスいたぁ」
「きたねえから触んじゃねぇ。ババァ剥製まだあんぞ!!」

「はぁ?そこはもう確認したのに、なんでまだでてくんのけ!?」
「にいちゃん奥にまだあるよ。」

中に入ってる私にはまだ大量の剥製が見えました。
再度、剥製引き取りの方とお経が唱えられました。

私は汚いから触るなと言われたカラスの剥製を兄に引き離されるまで撫でていたと聞きました。

「触るなつっとろんが。カラスに魅入られたのか?」
「でもさにいちゃん触り心地いいよ。可愛いし。」

そして、その日の夜に変なことがおこりました。

ドンドン・パシパシ・ギシギシと家鳴りなのか音が聞こえてくるのです。

庭の砂利を踏む音も聞こえ、話声も聞こえてくるのです。
兄も不思議がり廊下に出て確認してくれました。

小さく悲鳴を兄が上げた後、急いで子供部屋に戻ってきました。

「にいちゃんどしたの。なにぃみえたの」
「なにも、なにも見えんかった。ただ砂利が動いて、こっちに向かって音が聞こえてくるん。」

怖かったので兄と一緒の布団にはいり、朝を迎え両親に伝えた。

父は気のせいだろといい相手にはしてくれませんでしたが、学校が終わりかえってくると母が青ざめてました。

「天気いいから窓を開けといたんよ。そしたら知らない人が縁側に座ってて話しかけてきたんで、近所の人かと思ったらいきなりおかしくなって。」

空中を見上げ突然笑い出し、大声で威嚇されたらしい。

「変よこの家。もう嫌。」

母は父に事の顛末を話したが父は一軒家を買ったのにそんなにすぐに引っ越しできるかといい取り合ってくれませんでした。

しかも、そのあと何度もその変な人が現れたと聞きました。
そしてこの剥製の家にすんで5年たったある日、夜中に私は目を覚ましました。

チャイム音と窓をたたく音が聞こえるのです。

「ピンピンピンピンピン・・ドンドンドンドン!!バンバンバンガツン!」

ピンポンを最後まで鳴るよりも先に連打していて、手で窓を叩いているかと思ったら足で蹴っ飛ばしてるような音も聞こえ怖くなりました。

そんな騒音の中、兄は寝たまま起きなかったのです。

肩をゆすっても、声をかけてもただ静かに寝ていました。
私はリビングに行き、防犯カメラを起動しました。

カメラには何も映ってなかったのです。でもその間にもピンポンの音、叩く音はなっています。

両親の寝室に行き、電気をつけて声を掛けました。
すると兄とは逆にすぐに起きてくれて、玄関まで走っていきました。

玄関で父が大声で怒鳴っているので誰かいるのかと思いカメラで確認していたら父が一人で怒鳴っている姿が見えました。

戻ってきた父に誰と話していたのか聞くと、知らないおっさんのホームレスが金か要らないものがないか尋ねてきたというのです。

でもカメラには父しか映っていないのですよ。

後で知ったのですがこの剥製の家の前の持ち主が一人暮らしのおじさんで2年くらい前からホームレスをしていたそうです。

そして数日前に川の近くで亡くなっていたそうです。

そして、いまだに変な現象に悩まされながら皆気にせずに暮らしています

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