男の運気を上げたり、成功へと導く女を俗語でアゲマンと称される。
アゲマンと言えば枕を共にすることで下積みが長く、売れない芸人をブレイクさせる最強のアゲマンの都市伝説が有名である。
そのアゲマンは一般女性で、新宿でのお笑いイベントによく現れる。
ライブの打ち上げに参加して、将来有望な芸人と夜の街に消えて行くそうだ。
今テレビで活躍する芸人の多くが彼女と関係することで運を掴んだという話である。
アゲマンがあれば運気を下げるサゲマンも当然存在し、交際相手の男性の運気を下げてダメにする芸能人の話はよく耳にするところである。
軽く運気を下げられる程度ならまだ良いが、関係することで事故に遭ったり、怪異が起こるという風俗嬢の噂がある。
ホテヘル嬢として外国人専門の風俗店に在籍していた異国の女性の話であるが、彼女は東南アジア某国の山間に住む少数民族の出であったらしい。
そして、彼女を買うとプレイ中に変な事が起こるという噂であった。
ファッションホテルは元々からして清々しい場所ではないが、彼女が来ると寒々とした嫌な感じが部屋に立ちこめて、何とも言い知れぬ陰気な雰囲気に変わる。
容姿は小柄に童顔で可愛らしい感じ、性格も明るいので彼女自身からは特に変わった感じはしない。
ただ、変わっているのはプレイ前に「レイカンアル??」みたいなことを聞いてきて、“ある”と答えると「キヲツケテネ」と言ってくることだ。
初めは冗談かと思うのだが、彼女の忠告は冗談などではないことが霊感のある人には分かる。
それは事に及んでいるときである。
プレイ中に異国の衣装に身を包んだ若い男性がベッドの傍に立つ場合があるらしい。
客は呆気にとられて、無表情で佇む異国の男性から目が離せないでいると、彼女は驚いた様子もなく「コンヤクシャナノ」とぼっそと言う。
恐怖と驚きで彼女から身を離すと、男の姿もふっと消えてしまうそうだ。
幽霊を見てしまっては気分が乗らず、大抵の客はいそいそとプレイの途中で帰るのだが、帰り際に彼女に言われることが何とも恐ろしく、“(霊は)嫉妬深いので見えてしまったら事故に遭わない様に気を付けって”というような事をカタコトな日本語で忠告してくる。
現在、その娘が在籍していた店のサイトから、彼女の名前は無くなっているそうだ。