恨みます恨みます恨みます

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

4~5年前マンションで1人暮らしを始めた時のこと。

ある日仕事を終えて帰ったら、カギが空いてる。
おかしい・・・。
閉めたはずなのに・・・。
まあいいや、時々忘れることもある、と思いつつも恐る恐る中に入る。

案の定、なんだか違和感を感じる・・・。
そして、ほんのわずかな小銭を入れていた空き缶がなくなっていることに気づく。
あーやっぱりなと思って床に目を凝らすと、うっすらクツの跡。
ちくしょう、空き巣だ!

幸い自分はまだ引っ越してきたばっかり、荷もほぼ解いてないありさま。
通帳もハンコも持ち歩いていたので、金目の物なんてPS2とパソコンぐらいしかない。
被害額も2000円そこそこで助かったというべきなんだけど、この部屋の中に他人が土足で上がりこんで物色していったなんて、死ぬほど気持ちが悪いのと同時に、無性に腹が立った。
そこでその夜、自分のサイトのBBSで常連3人(全員男)と一緒に遊び8割、マジ2割で撃退策を練った。

次の日出かける前に、玄関入ってすぐ正面の壁に張り紙を貼った。
これが昨夜の作戦会議の賜物、空き巣ビビらせビラである。
今振り返れば危ないことをしたと思うけど、当時はバカがやりたくて仕方のない年頃だ・・・。
まぁちゃちいイタズラなんだけど、A4の紙に小さな文字でびっしりと文章を書いてみた

「恨みます恨みます恨みます、どろぼうどろぼうどろぼう。お金なんかない、お金なんかない、ないないないない。ないのにとるな、あたしのおかね、とるな。あたしのおかねだ。あたしのおかねかえして、かえして、かえして、おかねかえして。ころす、ころしてやる、おかねをかえさなかったらころす、ころす。ぜったいころす、よる、ころしにいく、ぜったい、ころす、ころすからな」

我ながらすげー陰険だ。
さすが携帯が全く鳴らないだけあると思う。
またすぐに空き巣に入られるとも思ってなかったが、とりあえず貼っといた。

そしてその日の仕事も終わり、ある同僚の男に飲みに誘われたのでぶらぶら付いて行ったところ口説かれ始めたのでサッサと帰ってBBSのネタにしようと思い、またぶらぶらと帰宅した夕方のこと。

また家のカギが開いてる。
しかも開けてすぐの床の上に、2000円札が小さな紙と一緒に置いてあった。

「ごめんなさい、大変申し訳ございません。お金をお返しします。下着も取りました、100回以上かぶってしまいました、大変にご趣味がよろしく、つい魔がさしました。今は汚してしまったのでお返しできません。申し訳ございません。こないでください、どうか呪わないで。空き巣より。」

もちろんマンションはすぐに引き払いました。
大家に怪文書を渡して(レシートの裏だった、ゴミ箱から漁ったらしい)、特に被害届けも出しませんでしたが。
今はオートロックのマンションに住んでます。
しっかしあの文章は怖かった。

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