人間は怒りの感情を抱くと体内で毒素が生産されます。
そして、怒っている人の息を採取し、極低温で瞬間冷却すると、栗色の液体が得られます。
この液体は猛毒で、試しにラットに注射すると、少しの量でも数分の内に死に至らしめる事ができます。
怒った人の息を吹きかけてもラットは死ぬ事はありませんが、呼気を冷却して液体にすることで毒素の濃度が高まり、猛毒として作用するそうです。
怒りによって体内で生産される毒素は大変有害で、1時間怒りが持続した場合には、80人の人間を殺せるくらいの毒量となるそうです。
逆に幸福を感じている人間の呼気には、生き物に活力を与える力があって、瞬間冷却して液体にしたものを瀕死のラット注射すると、嘘のように元気になると云います。
怒りによって作られる毒素は呼気や汗を通じて体外へと排出されるので、自身だけはなく周りの人のも悪影響を及ぼします。
こういった事から、心の平穏を保つ事が健康、延いては幸せへの第一歩へと繋がるのです。
怒りの毒素は、エルマー・ゲイツというアメリカの心理学者によって発見されました。
エルマー・ゲイツ博士は人間の呼気を採取して、冷却することで得られる未知の物質について研究を行っていました。
その実験によると、呼気から得られる物質は健康な人間の呼気は無色、怒っている時は栗色、後悔している時はピンク色・・・と感情によって色が変化したそうです。
エルマー・ゲイツ博士の実験は事実として広まり、書籍や各種の講演会で『怒りは毒』として語られています。
しかし、実際のところは米国の発明家の発明品が誤解・歪曲されて、生まれた都市伝説のようです。
心理学者エルマー・ゲイツ博士は、米国チェビーチェースに私立研究所を設けて活動していた発明家のElmerR.Gates(1859?1923)がモデルとされます。
発明家ゲイツは心理学と生理学の領域に感心を持っており、感情と体内から排出される分泌物の関係を調査しました。
調査に使っていた装置は、ガラス容器に無色透明の液体が入ったもので、液が入っている部分に息を送り込める構造になっており、そこに被験者が息を吹き込むと、ガラス容器の中の液体(何らかの化学物質)と呼気に含まれる分泌物が反応して、発色するという仕組みの発明でした。
装置に入っている液体がどの色を発色するかは試薬と分泌物の種類によって決定されるので、感情の種類と色の種類は直接的には関係が無いものでした。
しかし、その発明品は当時の大衆紙に『感情が特定の色で表わされる発明品』として、誤った記事で全米中に紹介される事になります。『罪の色はピンク』と罪悪感を感じた時の人の息からはピンクの沈殿物が得られるという内容でセンセーショナルに紹介されました。
聖書では罪の色を緋色としていますが、これが科学的に証明されたと米国の宗教関係者に肯定的に受け入れられて、米国中に広まったようです。