不思議系でいくつかご紹介・・・。
【そんな時は・・・この呪文を唱える】
オレのじいさんは若い頃山岳修行をしていて、お盆になると死んだじいさんがしてくれたこの話を思い出す。
山に入り、夜道を歩いていると、たまに、さっき通ったはず?という道に出くわす時がある。
最初はあまり気にせず、そのまま歩いて行く。
そのまま目的地に行ければ、それで良し。
しかし、しばらく歩き続けて、明らかに堂々回りをしている場合がある。
そんな時にはこの呪文を唱える。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
どういう呪文だったか、今はもう思い出せないが、手印を結んでいたので真言かと思う。
これを唱えると、辺りにさっと霧が立ちこめて、この悪さをしている奴らが見えてくる・・・。
じいさんの話によると、立ちこめた霧と地面との間に、無数の動物の足が見えてくるらしい。
それが狐の足だったり、狸の足だったり、時には両方ある時があったらしい。
後は、一喝。
奴らは、正体がばれた途端、霧とともにいなくなって、そして道が開ける、とじいさんは言っていた。
【吹雪の夜に】
ひいじいさんは変な政治家に入れ込んで身代潰して、土地も売っちゃって行商はじめたんだって。
そして雪深い年の暮れに、稼いだ金を持って我が家に向かったんだって。
急な酷い吹雪で、山の中身動きも取れなくなったんだって。
死にたくないし、家族と正月を迎えたい一心で立ち上がって、ふらふら歩き始めたんだって。
道が道かもわからない中歩いていると、傍らにちいさな子供が歩いてたんだって。
そんな雪山に子供なんかいるわけないけど、ひいじいさんはなんか気力がわいて自分の町までそれから5時間も歩いたんだって。
二人一緒に黙ったまんま歩いて歩いたんだって。
ひいじいさんは町のはずれの民家に助けを求めにいって玄関で倒れ、助かったんだって。
ひいじいさんは山の中にお地蔵様を作った。
それだけは確認できる事実。