俺は女をストーキングした

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

多分、12年くらい前になると思うんですが・・・。
以前、俺は金沢の大学に通っていました。
彼女もいなくて単位も取れそうに無くて半ば自暴自棄になってた時期がありました。

そんな時、同い年か俺より少し年下と思われる可愛い女の子を地元の駅で見かけました。
その時の記憶は曖昧なんですが、まあ一目惚れみたいなモノだったんでしょうか?
つまり、その・・・、後をつけていったんですね。

で、女の子が帰った場所がワンルームマンションだったんです。
何号室か気になるでしょ?普通は。
その子が部屋に入るのが何号室か判るようにダッシュで見晴らしの良い場所に行きました。
OOO号室ってのが判ったんで入ろうとしたら、マンションの玄関がオートロック!残念!
女の子一人暮らしか?なんて思いました。

しばらくして彼女が出かけた後、そのマンションで出前を取りました。
違う階の適当な部屋ですけど・・・。
それで、ありきたりなんですけど出前の奴と一緒にマンションに入ったのです。
俺、住人の振りして。
しかも今で言うピッキングみたいなもんで、20分くらいかけて何とか部屋に入ることが出来ました。

犯罪です。
やばいね、これ。

まあ、そんな事よりも部屋の中はパラダイスなんです。
タンス開けるのは基本でしょ?
ベッドにダーイブ!
ゴロゴロ。
ふあああ。
幸せぇ。

それから色々漁ると、合鍵を見つけることが出来ました。
ラッキー!
これで、また忍び込める。

どれくらい経ったのか覚えてないですが、ふと部屋の玄関辺りに足音が多数。
鍵穴が、ガチャガチャ。

やばい!
帰ってきた!
男と一緒だったら殺される!

マジでそう思いました。

慌てて台所の包丁二本を両手に掴んでベッドの下に隠れました。

ドタドタ足音がして住人が部屋に入って来て冷や汗がドバッと出ました。
俺、自分の靴どーしたかなぁ?やべーよ!この状況!言い訳なんて出来ねえ!
なんて思いながらビクビクしておりました。

しかし、よくみると女の話し声しかしない。
足元を観察すると三人らしい。

は、早く帰れ!そんなにいると、どうにもならない。
一人寝静まった時にこっそりと抜け出す事も出来ないだろ!

すると、どうも話の内容が、この部屋で友達二人が泊まることになってるらしい・・・。

だいぶ、時間が経ちました。
夜になってそろそろ寝よーか?って時でしょうか?
二人が床に寝る準備を始めました。

俺は音を立てないようにベッドの奥までじわじわと移動しました。

そのうち、ベッドの横に寝ていた二人のうちの一人と・・・め、目が合いましたー!

女の友達の子は最初ボーっとこっちを見てました。
そして、突然カッと目を見開いて飛び起きました。
その子は「ぎゅ、牛乳が飲みたい」と言い出しました。

俺、ビクビクもんです。

しかし、ここの住人の女の子が「ジュースでいいでしょ」と・・・。
友達は「どーしても牛乳が飲みたい・・・」と言って聞かねえ!

どっちでもいいんじゃあ!と叫びたくなるのを抑えていると、三人ともコンビニに行くことになったみたいです。
部屋から出て行きました。

俺も慌てて下駄箱に隠してあった自分の靴はいて窓から逃げました。
隣の部屋伝いに通路に出たわけですが・・・。

心臓バクバク!
ソッコーでその場所から逃げました。

途中、近所で有名な電波さんを見つけたので「メチャ可愛い子がいるから」って合鍵と、包丁二本渡して「ほら、あそこのマンション!」と、連れて行ってあげました。

その後は知らん!

以上、恐怖の体験談でした。

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