未解決殺人事件の現場

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

これは私の友人の警察官から聞いた話です。

ある未解決殺人事件。

現場前の私道には必ずパトカーが最低一台常駐していました。
昼夜を問わず、管轄の警察官が二名、交代で不審者を近付かせぬよう見張りをしていました。
私が話を聞いた友人は、その見張り勤務を数ヶ月間担当していたのですが、舞台となった殺害現場は、実はすでに取り壊されています。

通常、未解決事件の場合、証拠保全の為、出来うる限り犯行現場は当時の状況のまま残しておくのがベストなのでしょうが、今は更地になっています。

このスレッドに通う皆さんなら想像に難くないですよね?
何故、取り壊されたのか。
いえ、何故、取り壊わさなければならなかったのか・・・。

モロだったそうです。
しかも、強烈な。

友人曰く、「信じるor信じないの次元ではない。見たor見た、の一択しかない。」だそうです。

通常、警らレベルの警察官では内部に立ち入る事は不可能だったらしく、私の友人は直接目撃した事はないみたいですが、刑事や鑑識と同行した先輩の話では、そこにいた一同全員が同時に目撃したケースが度々あったそうです。

現場は、亡くなられた方の着衣していた衣服や、シーツ、布団などは運び出されてはいますが、床や壁の血痕は殺害当時のまま。
先輩は玄関から一歩踏み入れただけで濃厚な血の匂いが立ち込め、それだけで胸がムカついて来てその場に倒れそうになった。
そこから先は、何の変哲もない空間が、意思を持っているかの如く絡み付いてくる感覚に襲われた・・・と話してくれたそうです。

そんな彼が担当していた期間、初日に上司から言われた“鉄の掟”。

「ノックがあっても振り向くな」

パトカーの中に何時間と待機しなければならない初日に上司からそう脅された(?)そうです。
ま、初日に彼は振り向いてしまったそうですが・・・。
彼は勤務担当の数ヶ月間、毎日のようにパトカーをノックする音を聞き続けたそうです。

「ノックは決まって三回なんだ・・・。」

「同時に何ヵ所かからノックをすることも・・・」

「車の中にいても、あの部屋の窓だけはどうしても見ることが出来なかった・・・」

「同期の何人かは、ここの担当から外れた後に退職してるんだ・・・」

故人が未だ成仏されていない事は、事件が解決の日を迎える時までないのは明らかでしょう。
彼もあまり多くを語りたがらず、話してくれたのは、ほんのごく僅かな部分だけでした。

最後に、無念の死を遂げた方のご冥福と、一日も早い事件の解決を願います。

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