釧路という、北海道にある港町の出身です。
冬の海は厳しく、誤って落ちるものなら泳ぐ間もなく死んでしまいます。
僕の叔父もその一人でした。
葬式の夜、当時8才だった僕は本当に退屈していまして、大人が話しているのをぼんやりと聞いていました。
叔父はまだ若かったので、祖母なんかはすごく取り乱していました。
しかし、祖父や父、漁協のおじさんたちは静かに、そして憂鬱そうにぼそぼそ話していたのです。
「ウーコシルプ」がどうしたみたいな話をしているのです。
「ウーコジブ」かもしれませんが、兎に角それが叔父さんに何かしたみたいな言い方でした。
しかも何人目だとかという話でした。
眠くなった僕は父に布団に連れて行ってもらい、その時に「『ウーコシルプ』って何」と聞くと、「知らなくて良い、寝ろ。」そう言うだけでした。
最近になって思い出し、載せてみました。
恐くないし、そんな個人・団体(ヤクザ含む)聞いたこともないので、読んでいただいた方には申し訳ありませんでした。