だれだったかの短編集。
宇宙最強の戦艦と、桁外れの戦闘能力を誇る乗組員達(15名ぐらい)がある星に不時着した。
現地の住民に、食料を分けてもらい、久々に宇宙食以外の料理を楽しんだ。
現地の住民は、文化こそ発展してないものの、みな楽しそうに暮らしている。
一方で、アギラ様?みたいな名前の神がそこにはいた。
アギラ様には毎年、生贄として村の子供を毎年一人捧げなくてはならない。
その話を聞いた乗組員達は、「私達がアギラ様から解放してあげよう」と、名乗り出る。
「辺境の怪物ふぜいが、宇宙最強の我々に適うわけも無い。食事のお礼をしよう。」と、乗組員達は軽い気持ちで申し出た。
アギラ様の穴で、生贄の少女と共に待っていると、すさまじい咆哮が。
穴から出たアギラ様の全身は、戦艦以上に大きく、乗組員の自慢の武器、戦艦のあらゆる攻撃が効かない。
それでも、星をも砕くと言われる戦艦最強の武器を使い、やっとのことでアギラ様を倒す。
戦艦はほぼ大破。
乗組員の半数が死亡し、他のものも負傷を負う。
「もう大丈夫だよ」と少女に微笑む乗組員。
それでも少女は震えている。
「あなたが倒したのはアギラ様じゃない・・・」
その時、先ほどの怪物以上の咆哮が。
その咆哮は、我が子を必死に探すような哀愁を帯びていた。