仕事終わりで夜の１１時過ぎに帰路を歩いていた時の話。
近所の公園の入り口に誰かがが立っているのが見えた。
近づくと女性だと分かった。
黒髪を伸ばし、暗いので顔はよく分からないが、３０～４０歳くらい？で背が高く痩せた女性だ。
立ち止まって何してるんだろう？
そんなこと思いつつ、そのまま通り過ぎようとした。
女性：「こんばんは・・・」
突然声をかけられ、俺はビクッ！！として立ち止まった。
歩いていて他人に挨拶をされることなんか滅多にない・・・。
それに夜も１１時過ぎてだ・・・。
しかも、「お邪魔しています」という意味不明な言葉に、深々としたお辞儀まで付いてきた。
あまりに予期せぬ不意打ちで、俺は無意識に「こんばんは」と挨拶を返した。
戸惑いつつも、近所の礼儀正しい人なのかなと思ったんだが・・・そこで気が付いた。
彼女の回りには無数の猫がいた・・・。
ペットフードらしき物が置かれたトレーが３つ置かれてある。
どうやら公園の入口で猫に餌をやっていたようだ。
しかし、何故に夜中に公園で？
しかも、この猫、何処から湧いてきたんだ？
見れば彼女は腕には何かが詰まったレジ袋をたくさんかけている。
何かこの女性は普通じゃない気がして寒気がした。
俺は会釈をしてやや足早に歩き去り、角を曲がる所で振り向いた。
彼女はまだそこで佇み、猫を見ていたんだが、少し離れた地域で猫の変死体が多く見つかる話があったんだけど・・・考え過ぎだよね？
