小学生の頃の話。
近所には昔からの大地主が2軒あって、そのうちの1軒は運送業を営んでた。
うちの斜め前に、その運送屋の親戚が1人で住んでて、これが子供ながらに怖い人だった。
酒癖が悪く、昼間から飲んだくれてた。
運送屋の家からも厄介な存在らしかった。
過去に何があったかなんて解らないけど、仕事が無いのはお前のせいだ!などわめき散らし、運送屋からお金を貰っては酒を買って家にこもってた。
暫くして地主さんは経営が悪化して、結果夜逃げ。
親戚の人もお金もなく、家に住めなくなり、家を売って小学校近くの古いアパートに引越しました。
それから何ヶ月後だったか、和室でTVを見ていた時、おじさんが駐車場の前に立ってうちの中を覗いてるのに気付きました。
取り敢えず目が合ってしまったので会釈をするも無反応。
チラッとTVに目線を戻し再度見るともう居なくなってた。
相変わらず無愛想で変な人だ・・・けど、うちに用があったのかもしれないし、念の為買い物から帰った母に「さっきそこのおじさんが来たよ」と報告だけしてその日はそれで終わりました。
その何週間後かにおじさんの遺体がアパートから発見されました・・・。
アパートの大家さんから聞いた話だと、家賃の支払いが滞り、いつ行っても留守。
さらに悪臭がすると他部屋から苦情がきて、合鍵で中に入ったら、何故か床下に酒の瓶と遺体が転がっていたそうです。
遺体は腐敗も進み、死後半年は過ぎているとの話でした。
私が見たのはつい何週間か前・・・。
勿論死んでたなんて思いもよらず、母もゾッとしていました。
もしかしたらあの時、見つけて欲しくて来たのでしょうか。