私がまだ9歳頃の話。
おばあちゃんは信心深い人だったから、神様には毎日欠かさず水をお供えしていた。
けれども、おばあちゃんが亡くなってしまい、水をお供えする人もいなくなった。
父は共産主義に被れていたから、おばあちゃんが神棚に水を供えるのも馬鹿にしていた。
母はノンポリで、神様を馬鹿にしている訳ではないが、あまり興味もない。
それで、神棚はずっと放置されていた。
私は、その事がずっと気になっていた。
ある日の夜、両親と寝ていたら、ふと目が覚めた。
人の気配を感じて、横を見ると、そこには着物を着て、憤怒の形相を浮かべた老人の姿。
私が真っ青になってぶるぶる震えていたら、老人がぽつりと呟いた。
「水を・・・・・・・・・・・・。」
次の日から私は、毎日神棚に水を供える事にした。
塩や洗ったお米も差し上げ、たまにはお酒やお菓子をお供えし、掃除もかかさなかった。
両親は呆れていたが、無視。
何か月か後、夜中に目が覚めると、そこには満面の笑みを浮かべた老人が。
それ以降、虚弱体質だった私が、逆にとてつもない健康優良児になって、全然風邪などをひかなくなった。
今も、毎日、神様への感謝を忘れていない。