新幹線に乗っていた時のちょっと不気味な話。
前方のおばさんは、隣の女性にしきりに何か、訴えはじめた。
様子が明らかに変だ。
おばさんは、寝巻きのまま飛出して来たような服装でピンクの汚れたスリッパを履いている。
話のほうも支離滅裂で、なんとか聞き取れたのは、「京都のお寺に、逃げ込む」「夜、眠れない」「眠ると、真っ赤な小人が大勢やってきて、家をガタガタ揺らすのだ」ということ。
話すうちに、恐怖がよみがえり、半狂乱になっていく。
私と隣の女性がなんとか落ち着かせた。
安心したのか、おばさんは眠気を訴え始めた。
「京都に着いたら起こしてくれ」と何度も懇願しながらおばさんは、眠りに着いた。
しばらくして、おばさんが、うなされ始め、うわ言を繰り返す。
「こわいやめてかんべんしてゆらさないで・・・」
その頃には、恐怖は完全に、我々にも感染していた。
その後、あまりに怖かったので係の人に連絡して席を替えてもらいました・・・。