兄の食事・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

俺が四歳の時、10歳年上の兄が時々庭で歌を歌いながらゴンゴンと何かを叩いているのに気付いた。
前々から気になっていたのである日、窓ガラス越しにそっと覗いてみると、大きな金槌で、猫の足を潰していた。
俺はそんな兄がすごく怖かったから、毎晩母親と一緒に寝ていた。

ある晩フト目を覚ますと、兄が母の顔をじっと覗き込みクスクス笑っていた。

俺はますますそんな兄が嫌いになっていった。
怖かったのかもしれない。

5歳の誕生日に、父からハムスターを買ってもらった。

俺は毎日ハムスターと遊ぶのが本当に楽しみだった。
ある休日の日、兄と二人で過ごさなければいけなかった。

母が用意してくれたご飯を食べていると、兄がクスクスクスクスと笑っている。
俺も何故か可笑しくなってクスクス笑ってみると、兄はひどく嬉しそうな顔をして笑った。
すると突然兄は俺の目の前で口を大きく開き舌を大きく前へと突き出した。
舌の上にはぐちゃぐちゃになったハムスターが乗っていた。

そこから前後の記憶が定かではないが、余りの恐怖で失禁した事は覚えている。

それから一年半年後兄は失踪した。
以後16年間何の音沙汰もない。

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