地元では有名な話

カテゴリー「心霊・幽霊」

私が住んでいる地域は、東向き方向には繁華街もありバスも地下鉄も私電も通っていて、結構にぎやかだけど、西方向には山の向こうに小さな町があるだけで交通手段も何度も倒産しかけて再生手続きばかりやってる民営バスしかない。

でもって、先日その小さな町に夕方から用事があって駅前から町行きのそのバスに乗ることに・・・。
乗ってる時間は1時間半程度だけど、流石に夕方からそっち方向に乗る乗客は私一人で、誰もいないバスの真ん中ぐらいに座って、窓の外を見ていました。
いくらも走らないうちに窓の外は細い山道に入り、対向車とのすれ違いすらままならない程・・・。
外は暗くなってくるし、山道は真っ暗だしで『気持ち悪いなぁ』と、思っていたら後の方で『ボソ・・ボソ・・』という喋り声と誰かが身動きする衣擦れの音がして、何となく『ああ、誰か別の乗客がいるんだな・・』と思っていたけど、ふと、今は自分以外には乗ってないはず!と思い当たって慌てて後を振り返ると案の定誰もいなかった・・・。

気のせいかと、思って前を向いていると間違いなく誰かの喋り声、それも一人じゃなく、何人もの呟き声が後の座席からする。

しかも私が座っている座席の直ぐ後の席からも誰かが身じろぎして座席が軋む音がする。
もう怖くて仕方なく思わず運転手さんのすぐ後ろの席に移動した。

移動する時にもう一度、後部座席を見たがやはり私以外は無人でした・・・。

でもバスから降りようにもそこは山道の中のバス停しかなく、当然そんな時間にはバス停に誰もいるわけなく、周りには人家らしきものも殆どないので、降りたら降りたでもっと怖いだろうし・・というより、降りたときに万一その訳の判らない気配も一緒に降りてきたら?と思うとそれも出来ないので、早く終点に着いて欲しい!と願っていた。

しかし、その変な気配はどんどん賑やか?になってきて、呟き声もちょっとザワザワと感じるぐらになってきた。
しかも足音が後から前に、前から後に何回もし始めた。

でも真横を足音が通っても、相変わらず何も見えない、気配がするだけで、運転手さんは何も聞こえないのか?感じないのか?と不思議に感じるぐらい。
もう我慢できなくて変に思われてもいいから運転手さんに話そう!と決心した時に、いきなりその運転手さんが、山道の少し広くなった部分でバスを停めて「ちょっとすみませんねー」と言いながら、席を離れて窓のカーテンを大きな音をさせて下まで降ろして、そのまま今度は上まで跳ね上げた。
すると、あの変な気配が全く無くなっていました。

後は、終点に着くまで何も無かったけど、運転手さんの話ではこの経路ではたまにあることで、運転手間では有名でなったときの対処法wwも申し送られてるとか・・・。

「別に悪さをする訳じゃなくて、自分達が間違ったところにいると知らないんじゃないかな?ああやって大きな音で脅かせば、慌てたみたいにいなくなりますから」と、事もなげに言っていた・・・。

たぶん地元では有名な話なのでわかる人いるんじゃないかな。

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