俺が保育園の頃の話。
秋口で日が落ちるのも早いってのに迎えが遅い園児たち(俺含む)で隠れんぼすることになったんだよ。
俺が隠れたのは玄関の有るとこと保育部屋があるとこの繋ぎになってるちょっと奥まったところ。
竹ヒゴで作った日除けとか、色んなモンが置いてあったんだが、奥に入って蹲ると外から見えないだろうと思ってソコに隠れたのね。
隠れて、もうちょっと奥に行こうと思い移動してソコにしゃがんだ瞬間、膝がちょっと「ちくっ」とした。
なんか引っかかったのかなー??とか思ってたら後ろら「痛い?」って聞かれたのよ。
あれ?他にもココに来た奴居たんだ・・・って思いながら「ん~ん、ちょっとチクってしたけど、痛くないよ?」って答えた。
続けざまに後ろの“誰か”が俺に話しかけてくる。
「痛い?痛い?」
「痛いよ、痛いよ、もっと痛いよ」
またちょっとチクっとした。
「痛い?痛い?」
「痛いよね?痛いよね?もっと痛いよ」
ジワジワと膝の辺りが痛い、しかもなんか湿っぽい。
「痛い?痛い?」
「痛いよね?痛いよね?ひろがるよ」
ソノ瞬間、膝に激痛が走って俺は「いたーい!!!!!」って叫んでた。
ソレを聞いた“誰か”は「きゃはははははは!!またね!!」って笑いながら奥に行った。
・・・・奥は行き止まりなのにね。
俺はというとワンワン泣きながら外に出て行った。
泣きながら出てくる俺を見て園長先生と他の大人は青ざめた顔してた。
何故って?俺の膝には幅1cmくらいの竹ヒゴが思いっきり刺さっててプラプラしてたからさ。
園長先生が駆け寄ってきて竹ヒゴを抜こうとするんだけど、中々抜けない・・・。
丁度迎えに来ていた俺の母親も抜こうとするけどコレも無理。
「痛い!痛い!」って俺が泣くもんだから当時、看護婦だった母が自分の病院に連れて行って外科処置で抜くことにしたんだ。
両端を切り広げるとアッサリ出てきたんだが医者が首を傾げた。
刺さってた竹ヒゴが扇状に広がっていたんだよ。
「これ・・・刺さんねぇよな・・・」って母と話してたりするけど俺には分ってた。
あの後ろに居た“誰か”の仕業だった・・・。
それからというもの、俺は隠れんぼの時にソコを使うのは止めたよ。
近づくとまたあの笑い声が聞こえてきそうだったから。