俺の実家の前に数件の借家があるんだけど、その中の1件がやばいので書いてみる。
築60年以上の古い借家。
俺の住んでた町は福祉に積極的ではなかったから公営住宅が少なく、民間の住宅に独居老人が多くいた。
俺の実家は当時、畑で少し小高いところにあったから借家がすべて見回せた。
その件の借家には60過ぎの婆さんがひとり暮らしていた。
その周りの借家も似たような感じで構成していた。
ある日、件の婆さんは亡くなった。
新聞が何日も溜まった状態だったらしいが、相当苦しんだらしく、爪がすべてはがれるくらい這いずり回っていたらしく、部屋中血だらけだったらしい。
当然、その家は半年以上、空家になっていた。
ある日、その家に中年男性が引っ越してきた。
畑の手入れに週一できていたので、この男性とは会話したりした。
一月ぐらい経ったころから男性は、やたら前の住人を聞いてきた。
当時は死んだ状態は知らなかったので、婆さんがいたことだけを伝えた。
一応、理由を聞いてみた。
男性:「夜中に風呂水を張る音がするが出てなかった」
男性:「夜中に勝手口の開け閉めする音がする」
この少し後に男性は仕事中に急死。
この後に6人住んだが、同じセリフを聞いてきて急死か自殺。
ここの大家はそのてのことは気にしない人だったので、お払いとかはやらなかった。
6人死亡は大体2ヶ月間隔で起きたので、近所では有名だった。
頑固な大家で値下げしないから5年ぐらい空家だったが、とうとうお払いをして入居者が決まった。
でも、どうやら出たらしくすぐ出てってしまった。
すぐさまお払いをしたという。
お袋いわく「2度、お払いするって尋常ではないぞ」
俺も賃貸に住んでるけど、ここまで強烈な物件は聞いたことはない。
生前の婆さんを知ってるが、物腰の優しい人だったんだけどね。