爺様の話は本当だった

カテゴリー「心霊・幽霊」

うちの旧宅は古い。

子供の頃に築100年と聞かされたが、何年経っても築100年と言っている程度に古い。
だからといって古民家な訳じゃなく、曽爺様か曽々爺様が建てた物置(と言っても5部屋合計40畳+土間8畳+αの広さがある)を改造した建物に何度か手を加えて住んでいた。

古いので多少霊的なものも住んでいるようで、自分はそれらと少々波長が合っていたのか名前を呼ばれる、電話の呼び出し音を模した音を聞かされる等の空耳は日常茶飯事。

お盆になれば半透明な人がふと視界に入ってきたり背後から覗かれたり、夜中に目を覚ましたら添い寝されてたりと他愛のないことをやられていた。

そういうものが特にお盆中に見えると爺様に言ったら、ご先祖様が居るだけだから問題ない、普段でも居るのは家を守るために「ご先祖様が交代で居残ってるだけだから気にしないように」、と言われた。

実際に他愛のないことばかりで怖くなかったので、ふーんくらいの気持ちだった。

10年前に旧宅を残したまま同じ敷地内に新しく家を建てた。
もちろん自分も新宅に引っ越した。

旧宅に住んでいる霊的なものは新宅に気が付かないようで、新宅に住むようになった後は空耳もなくなり、ときどき見えていた人たちも一切見えなくなった。

爺様の話は本当だったかーと思った。

けれど、去年辺りからまたちょっと見えてきた。
10年近く経って住まいを新しくしたことに気が付いたらしい。
相変わらず実害がある訳じゃないので居るのは良いけど、唯一空耳は厄介なのでやめてほしい。

ちなみに旧宅で黒電話からFAXに切り替えたとき、空耳の呼び出し音がじりりりりんからトゥルルルルになるまで半年ほど時差があった。

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