死体の欠損がひどくて

カテゴリー「心霊・幽霊」

同級生で柔道部仲間だった友人なんだけど、そいつ警察官やってて、仕事関係の怖い話。

高卒からすぐ警官になったそいつは幸か不幸かすごい上司に気に入られていて、何かにつけては現場に駆り出されたそうで、その日も非番なのに深夜に携帯が鳴った。

線路の飛び込みがあり即死、死体の欠損がひどくて踏切そばの川に部位が落ちてる可能性があるから、川をさらえ・・・との事だった。

春先の水もまだ冷たい時期、最悪だわマジで・・・と思いながら現場へ飛ばしてついた時は深夜の3:30くらいだった。

既に到着してる先輩方は案の定くわえタバコで駄弁っていて川の中へは誰も入っていなかった。

先輩方:「医者が来て死亡確認する迄にみつけてねー」とか言われて友人は探し始めた。

死体は轢かれた後に車輪に巻き込まれ、両足が膝から下がなかった。
右足と靴は見つかったが、左足が見つからない。

こりゃあ明るくなる迄は無理かなーと思ったら、川のの上から「もっと下流ですね、橋からもっと下流!」と声が聞こえて、見上げると医者が指をさしてる。

「ご苦労様です!すぐ見つけます!」

見つかる前に医者が到着してしまったか、いびられないといいけど・・・と思いながら、車一台通れるくらいの小さな橋をくぐって下流へいくと、草むらの中に欠損した足を見つけた。

医者:「すみませんねえ!」

医者の声に「いえいえ、どうもありがとうございます!」と言い川からあがった。

すると、医者がいない。
向こうと合流したのか?と思い部位を持っていくと医者はまだついてないとの事。

彼は「もしや」と思い、死体の持ち物から免許を見せてもらった。
暗くてよく見えなかったが、眼鏡をかけた男だった。

「似てるわ・・・」

医者は明るくなってからようやく来たが、その後、家族などと連絡を取り調べて行くうちに自殺者が薬品販売の営業マンと言う事が分かった。

開発畑から営業に回され、厳しいノルマでノイローゼ気味だったらしい。

遺族にこの体験を話すと、「白衣のの方が良かったなー」と口癖の様に言っていたそうだ。

医者と見間違えた白衣の男は白衣を着ていたかった「自殺者だったのかもなぁ」と友人は言った。

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