姉貴の話をさせてくれ。
うちの姉貴は昔から普通の人間と違っていた。
説明は省くがそんな姉貴のおかげで、怖くはないが不思議な体験をしまくった。
姉貴の結婚式で体験した話をしたい。
昔から姉は、よくモテた。
俺の知っているかぎり中学1年から男を途切らせたことがない。
付き合っていた期間は1週間~2年とだいぶムラがあったが。
そのせいか、姉貴には男の生霊がたくさん憑いていたらしい。
姉貴の結婚式場にも(姉貴の友人の見える人談)、うようよと来ていたらしい。
なぜ姉貴の傍にいないのかと聞くと、その友人曰く、「あんたの姉貴には生霊も怖くて近づけない」と。
そして新郎新婦の登場。
暖かい拍手で迎える準備をしていたお客さんは新婦を見て固まった。
新婦(姉貴)がバズーカを肩に構えている。
いや、実際はバズーカ型のクラッカーだったんだが・・・。
純白のウエディングドレスにバズーカ。
なんだかむしろ姉貴には似合っている。
新郎(義兄)は指を耳に突っ込んで、既に爆発に向けて備えている。
客が耳を塞ぐより早いか、姉貴がバズーカをぶっ放した。
盛大な音とともに火薬の匂いと飛び散った紙吹雪。
後から、姉貴の友人に聞いた話では、「あの瞬間、生霊が全部吹っ飛んでキレイさっぱりいなくなった」そうだ。
姉貴が知っててやったのか、聞いてもいつも通りはぐらかされるだけなので聞いていない。