俺の家の近所の団地の話

カテゴリー「心霊・幽霊」

10年以上前、俺の家の近所の団地の話なんだけど、そこは6階建てで、もうすぐ取り壊しされることが決まってたんで入居してる人は少なかった。

当時俺は高校生で帰りは4時過ぎ頃だったんだけど、その横を通るときに階段の踊り場と思われる4階の窓に人の姿が見えることに気がついた。
窓の汚れがひどくて顔ははっきりわからないんだけど、髪が長いので女のような気がした
白い服を着ている。

それから通る度に注意して見てたんだけど、3日にいっぺんくらいその人の姿が見える。
いつもあんなところから何を見てるのか不思議だな・・・と思って気になっていた。

それから1週間くらいして、たまたま友達の一人と一緒に帰っていたときにやっぱり窓から顔が見える。

それで友達にそのことを話したら、「見えない、誰もいない」って言う。
お互い携帯を持ってたんで連絡を取って、友達がその窓のところを見てきてくれることになった。

俺は団地の塀の前で上を見上げてた。

団地は階段の入り口は開いてたんで簡単に入れた。
すぐに友達が3階の窓のところにきて窓を開けて顔を出した。
携帯で「誰もおらんよ」と言ってくる。

その友達の1つ上の階に窓を開けない顔がある。
俺は「もう一階上だから」といういと友達の顔がひっこんで4階の窓を開けて顔を出した。

「やっぱり誰もおらんで」と言う友達の一つ下、3階の窓に顔が移ってた。
俺は目をこすって「あれ、おっかしいなあお前誰かとすれ違ったか?」と聞くと友達は「いや全然」と・・・。

その時3階の窓の顔がふっと消えた。
同時に背中のあたりでぶわっと生暖かい風が起こって俺の耳もとで「見えたんだね」という声がした。

驚いて振り返ったら誰もいなかった。

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