中3の秋頃、高校受験のために塾に通ってて、帰りはいつも父か母が車で迎えに来てくれていた。
でもその日は父も母も地区の用事があって、一人でバスで帰ることに。
遅い時間だからか、仕事帰りらしいおじさんが乗ってるだけだった。
いつの間にかうとうとしていたのか、はっと気付くと、前の方に座っていたおじさんはもういなくなっていた。
あぁ自分だけか・・・と何となく振り返ったら斜め後ろの席にガリガリに痩せた男が座っていた。
その人は子供のようにも見えるし、結構年がいってそうにも見えた。
無表情で席に座った姿勢のまま、ぴょんぴょん飛び跳ねている。
まるきりはしゃぐ子供みたいな仕草なんだけど、全く微笑ましい光景じゃなくて、「うわー池沼かよ」、と無視を決め込んだ。
気弱な見た目のせいか絡まれやすかったから。
何かあったらすぐに運転手さんに助けを求めようと前を見ると、ちょうど運転手さんもルームミラーで後ろを確認しているようで一安心。
降りるバス停で席を立つ時も、その人はまだぴょんぴょんしてた。
目で追われてる気がして足早に前に向かって、料金を払っていると、運転手に「塾?こんな時間まで大変だね。今日は君が最後のお客さんだなぁ」と話しかけられた。
運転手:「いつもはサラリーマンの人が乗っておしまいなんだけど」
え、でもあの池沼は・・・??と思い、軽く振り返ると確かに横目に奴が映る。
その場にいたくなくて、挨拶もそこそこにバスから降りて、家までダッシュで帰った。
振り返ったら窓にあいつがべったりくっついてそうだったし、更には追いかけてきてるような気がして、とにかく怖くてチビりそうだったんだ