額縁の裏にお札は当たり前過ぎる

カテゴリー「心霊・幽霊」

これは小学校の修学旅行で、俺が実際に体験した話です。

2拍3日の旅行で一泊目はわりかし立派な旅館に泊まったんです。
広い和室を、ふすまで2つに区切ってこっちが男子、こっちが女子っていう風に寝たんです。

ここまでは、まぁ、全然何もなくて普通に楽しかった。
2泊目はちょっと移動して、ホテルと旅館の中間みたいな宿泊施設(3階建て)に泊まったんです。
5~6人で一部屋与えられて、みんなテンション上がってた。

俺たちのグループは確か2階の一番突き当たりの部屋で、入ってすぐみんなで騒いだんです。
俺が「額縁の裏にお札貼ってあったらヤバいらしいよ」って言ってみんなで見た。
でも何もなくて、「つまんねーなぁ」みたいな会話したのをよく覚えてます。

でも俺は、『そういうこと』をよく知る叔父さんに教えてもらっていたんです。
実は額縁の裏では当たり前過ぎるから、本当にヤバい所は和室なら押し入れ、洋室ならベッドの裏にあると・・・。

少なくとも俺は、そう聞かされていました。
そこは8畳くらいの和室で、部屋に入って左手に押し入れがあり、みんなが楽しそうにしているのを横目に、こっそり押し入れを覗きました。

あったんです・・・。
天井にべっとりと1枚・・・。

でも、雰囲気、悪くしたら悪いと思ってみんなには言いませんでした。
今、考えたらその時に先生に言うとか・・・色々と対処はできたと思うんですが・・・。

その夜、俺たちのグループ6人全員で、いろんな話をしていました。
先生が見回りに来てもいいように部屋を暗くして布団をかぶって円になって、クラスで好きな人、先生のものまね、ちょっとHな話とか・・・いろいろ・・・と。

で、定番なんですが怖い話をしよう、ということになってみんなで、次々に出しあってたんです。
そしたら、1人が気持ち悪いと言い出して、じゃあ俺が医務室(先生たちの部屋の隣にあります)に連れていくわって男子が1人手をあげて計2人が抜けました。

「どうする?」

「もうやめようか?」

「いいじゃん、もっと聞かせて」

「ん~、そうだねぇ」

誰ともなくひそひそと話して、結局、怪談を続けていました。
すると、もう1人、気持ち悪いと言い出したんです。

じゃあ、俺がついていくってまた1人の男子が手を上げて、また2人、出ていきました。

俺が、「もう止めよう、なっ?」と、電気をつけるとそこには、誰もいませんでした。
びっくりして立ちすくんでいると先に気持ち悪くなった人に付いていった2人が帰ってきました。

「あれ?もう1人は?」

「もう1人って、誰?」

「あいつとあいつが気持ち悪くなって、お前らが付いていったよな?あれ?あれ!?」

修学旅行のしおりをみんなでめくって確認すると俺たちのグループはもともと5人だったんです。

部屋の中に、もともと1人多かったのか?って思って、みんなにお札の話をして、先生に部屋を変えてもらいました。

これは後日談なんですが、最初の2人が抜けて怪談をやめようしたとき「いいじゃん、もっと聞かせて」と言った人が、未だに誰かわからないんです。

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