バスにいた白黒の人

カテゴリー「心霊・幽霊」

母親と朝早くからとあるデパートにいった時の話。

その時住んでいた市では100円で一定のルートを巡回しているバスに乗れるっていうサービスをしてて、丁度目的地でもあるデパート前のバス停にまで行けるってことで、母親に言われるがままそのバスを利用することになった。
その時はいつもは別のバスを使ってってなんだか大丈夫なのかよ、とかぐらいしか思ってなかった。

で、多分10分ぐらいだったと思うが、バスが来て親子共々乗った。
朝のせいかバス内の明かりがついていないせいなのか薄暗い車内だった。

その時、車内を見渡しながらどこに座ろうかと母親に言ったら、前方あたりの二人がけの席に座ろうよって言われた。

それからバスはそのまま発車して、市内で一番大きな駅に差し掛かったんだが、バスがバス停でないところ(バスターミナルみたいなところだから客待ちとかのタクシーが止まってそうなところ)に停車した。

そのことを特に気にせずに窓から外を眺めてると運転手が「お客さん、お客さん」って呼びかけてきた。

すぐに俺らのことかと思ったが返事を返すのも面倒くさかったし、母親もいるから黙ってたんだが、当の母親が気がついていないのかぼーっとしていた。

肘で小突いて目配せしたら母親が「あ、はい」と運転手の呼びかけにやっと答えた。

その時の会話は、思ったよりバスの運行具合が早くてちょっとここで時間合わせとしてしばらく停車するって内容だった。
バスの車内はエンジンの切ったせいかすごく静かでなんだか話しづらい雰囲気だったが、それからいくらか時間が経ったらバスが動き始めてすぐにデパートに着いた。

バスから降りてなんとなく俺は母親になんであの時すぐに返事しなかったのかって聞いた。
そしたら母親はこう答えた。

母親:「だって、他に人がいたから...その人のことだと思って」

は?って思った。
だって、最初の方で書き込んだことだが、俺は一度車内を見渡している。
そのバスには誰も乗っていなかった。
運転手からの呼びかけに俺が俺たちだってすぐわかったのも乗り込んだ時に誰もいないのを確認していたからであっての考えだった。

そのことを母親に言うと「あー...だから、あの後ろに座ってたおばあさん、白黒だったのねー」と。

そん時はなんだか軽く言われたから気味悪いこと言いやがってって思っていた。
そのことを後で妹に話すという形で母親に確かめてみたら傍に母親からそれ以上言うなっていう感じでこれはマジだって思ったんだ。

それ以来なんだか気味が悪くてそのことを家族内で話したことはない。

それに母親とあのバスに乗っている間ずっと見えない何かが後ろの座席に座っていたと思うと...それ以来あのルートのバスには乗ってない。

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