”三人”の同棲生活

カテゴリー「心霊・幽霊」

知り合って半年、彼氏と付き合う。
半同棲を始めてまもなく、彼氏に異変が。

マンション(二階)から飛び降りようとしたり、死にたい・・・と虚ろな目でぼやいたり、夜中真っ暗な部屋でうろうろ歩き回ったり・・・。

初めはメンヘラかと思ったが、どうも様子がおかしい。
肩を叩いて呼び掛けると、正気に戻ったように普通に行動し、自分の珍業を何一つ覚えていない。
そんな日々が5日程続いた。

それから少し経ったある夜、一緒に布団に入り背中合わせに寝ていたのだが、ふいに視線を感じて彼氏の方を向いた。

鬼の形相で私を睨む彼氏がいた。
白目が真っ赤に血走り、瞬き一つせずに私を睨み付け、何かをぶつぶつぼやいている。
恐ろしくなり明かりをつけ、彼氏の名を呼び肩を揺さぶった。

『コロしてやるコロしてやるコロしてやるコロしてやるコロしてやるコロしてやるコロしてやるコロしてやる』

そう呟いていた。

未だ私を睨む彼氏にそう呼び掛けたところ、血走る目の彼氏に首を締められた。

その後、何とかその手を振り払い、彼氏を正気に戻した。

普通の状態の彼氏に、いきなり人格が豹変する事実を知って欲しい事、豹変すると私に攻撃的になる事、豹変している間、部屋が謎の軋み音で包まれて怖い事などを伝え、
精神病院にかかって欲しい旨も伝えた。

時間を作って行く、という結論に至った翌日、彼氏の友人が遊びにきた事で状況は一変した。

『この部屋、空気重いね。何かいるよ』

友人は彼氏が何かに取り憑かれているという。
霊感0の私達にはにわかに信じ難い話だったが、彼氏の奇行は憑依以外には考えられないとの事。

豹変する彼氏を見たいと友人は言ったが、彼氏は何故か私と2人きりの時にしか豹変しない。
彼氏の様子がおかしくなったら電話するから、と告げ、帰る友人を見送った。

その夜、やはりいつものように暗がりで私を血眼に睨み付ける彼氏に首を締められ、ほぼ夜通し彼氏を観察して朝を迎えた。

その後、彼氏は縁あったお寺で除霊を受ける事になった。
除霊専門のお寺で、法外な価格は取られなかった。(気持ち分のお金でいいと言っていたので、一万円を封筒にいれて渡した)

除霊の時に住職が唱えるお経に、彼氏は白目を向いて暴れ回った。
住職がその彼氏に怒号混じりに問いただす。

『お前は誰だ!』

『かああずううみいいい』

呻きながらも、彼氏はカズミと答えた。
カズミ、って、だれ?

その後、何とか除霊を終え、住職にこうなった経緯を尋ねた。

住職:『良い霊も悪い霊も吸い寄せてしまう体質。彼氏くんは優しい性格だから、そこに霊が助けを求めてくる。それらを全て自分の中に取り込んでしまう体質なんだ。日光にあたり、健康的な生活をしていれば憑依されることはまずないだろうから、これから先頑張って生きなさい』ということだった。

彼氏は夜間の仕事から昼間の仕事に変え、私も務めて明るい環境を作った。
それからは、以上のような変な事は起こっていない。

風呂場に柴田理恵似の何者かが現れる事を除けば・・・。

でも、柴田理恵は悪さもしないし、特段の危害も加えてこない。
三人の同棲生活はまだまだ続きそうだ。

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