無痛症の悲惨な話

無痛症になった子供と母親の話。

病気になった子供がちゃんと成長できるかどうか、いつも母親は心配していた。
痛みを感じないため、治療が遅れて小さな怪我でも致命傷になりかねないからだった。

そんなある日、その子供の乳歯が抜けた。
それを見た母親は、「ああ、この子も少しずつ成長しているんだ」とささやかな幸せに微笑んだ。
母親の嬉しそうな顔を見て、幼い子供も喜んだ。

翌朝、まだ眠っている子供を起こしに行って、母親は悲鳴を上げた。
子供の枕もとに、血のついた歯が何本も転がっていたからだ。

歯が一本抜けただけで喜んでいる母親を見た子供が、それならたくさん抜けば、もっと
喜んでくれるに違いないと思って、自分の歯を全部抜いたのだった。

以上は講談社の「メフィスト」平成10年5月号の座談会に載っていました。
実話ではないか、と書いてありましたが、詳細は不明です。

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