職場の若い女性から聞いた話です。
ある晴れたすこやかな朝。
台所からみそ汁のいい薫りが漂い、外には雀の鳴き声がちゅんちゅんと聞こえていました。
朝のTVはニュースを伝えており、今日も一日初夏のカラッとした天気であるとのこと。
家族は全員テーブルにつき、彼女は配膳の準備をすませ、ふすまを開けて隣の部屋の仏壇にお水とご飯を備えようとしました。
ふすまをあけて隣の部屋を覗いたら、仏壇の奥から一本腕がまっすぐ前に伸びていました。
TVを見ていたお母さんはこちらを振り返って、「あら、お腹がすいていたのね」と。
彼女はそこから数分間分の記憶が今でもありません。