こたつでぽ~っとしてついつい寝てしまいました。
ふと目が醒めると電気は消え真っ暗になっていました。
こたつ布団に肩まで入った状態で寝ていたため出ようと、藻掻くとすねに何か当たりました。
足です。
そう言えば、下らないテレビを妹と一緒に見ていたんだ。
一気に腹筋に力を入れて起きあがり、妹の肩をたたいて起こしました。
妹は眠そうに起きると、何も言わず二階に上っていきました。
風呂から上がって水を一杯飲みながら、テレビをつけるとスポーツニュースがやっていました。
風呂から出たばかりは暑いため、こたつには入りませんでしたが、あとから入る時に冷たいのは嫌なのでスイッチを弱にしておきました。
サッカーのダイジェストニュースが終わり、次は見たかったプロ野球です。
そろそろ寒くなってきたなと思い、こたつに入ると、コツンと足に当たりました。
妹がいたずらして入っているのかと思った瞬間、はだしの足が氷に包まれたように冷たくなりました。
足を引きぬこうともがこうとすると、足に鋭い痛みが何度も走りました。
息が止まるほどの恐怖を感じ、全力で足を引きぬこうとしますが、まったく動きません。
足の痛みが尋常ではなく、冷や汗を掻いてきました。
足首から先の感覚はなく、痛みはだんだんすねの方に上がってきていました。
たまらずこたつ布団を上げて中を覗き込みました。
しかし弱にあわせたこたつの光ではよく中が見えません。
私はこたつのコントローラーに手を伸ばし「強」に摘みを合わせ布団を上げようとすると・・・。
目前に青ざめた初老の男の顔が浮いていました。
どう見ても、首が無いのです。
男は数秒、私と目を合わせると振りかえりました。
その時です一番恐怖を感じたのは。
男の後頭部からはブランと何かがぶら下がっているようでした。
目を凝らすと、それは腕でした。
男の顔に腕が生えていたのです。
それを見て私は気を失いました。
朝、足を見てみるといくつもの歯型がついてました。
たぶんあの男のほっぺたあたりで私の足を押さえていたのでしょう。
私が足を引きぬこうとした時に噛みついてそれを防ごうとしたようです。