10年ぐらい前に田舎に帰った時、伯父さんに聞いた話。
文才無いので、読み辛い場合はスマン。
過去、伯父さんが麻雀にハマってる時期があった。
いつもその時仕事をしていた友人4人と麻雀をしていたらしいです。
もっぱら、ある一人の借りているアパートで打っていたようなのですが、田舎な為各々車で数十分の距離にあるアパートだったらしい。
4人のうち一人は、海岸沿いを通る道を車を使って来ていたらしいのですが、ある日いつものように友人のアパートに向かっていると、海岸に一人の女の人が立っている。(特に観光地という訳でもないので、夜中に人を見かける事は稀)
「こんな夜中に何やってんだ?」と思いつつも友人宅に急いでたので、気にせず通り過ぎ、いつものように麻雀を楽しんだらしい。
その日は、もう夜も明ける頃に友人宅を出たのですが、来た道と同じ道を通って帰る訳で。
海岸を通りかかった時にふと海の方を見ると、来る時と同じ位置に、同じ女の人が立っている。(既に5~6時間経過)
流石に何か変だ(自殺か?)と感じ、車を停めて女の人の所まで歩いて行きました。
「どうかしたんですか?」と、声を掛けても返答所か微動だにしない。
ならば、と思い女の人の前に移動して顔を確認してみた。
その目は、暗い海の彼方を見つめたまま、やはり微動すらしなかった。
自分の事が見えていないような感じ?
いくら話し掛けても無視されるので、いい加減腹が立ちその場を立ち去りました。
そんな事があった日から数日後。
いつもの様に麻雀の誘いの電話が入り、友人宅へ向かっていました。
海岸沿いの道を通りかかった時、先日の女の人が同じ位置に立っています。
「また居るのか」と考えた程度で、前回無視された事もあり、その時も素通りして友人宅へ向かっていつものように麻雀を楽しみました。
空が明るくなり始めた頃に帰宅したのですが、やっぱりその女がいつもの場所に居ます。
無視して通り過ぎたのですが、なんだか妙に気になって海岸まで戻ってきました。
「もしもし?何してるんですか?」
「こんな所で一人でいると危ないですよ?」
色々と尋ねてみましたが、やっぱり無視されます。
2回目なので、頭に血が上っていたらしく、その女の人の肩を叩いてみようと手を伸ばした時!
女の人の肩を、叩こうとした手が通り抜けてしまいました。
ビックリして、その場を猛ダッシュで逃げた事は言うまでもありません。
それから、友人宅へ遊びに行くのに夜その道を通る時は必ずその女の人が立っているようになりました。
その友人は怖いもの見たさもあり、その幽霊(女の人)をよく観察するようになった。
幽霊は足が無い・・・いや、しっかり2本足がある。
肌も人間のようだ。
よく見ると産毛まである。
なんだかんだで、興味は「観察」から「気付かせる」に変わり、あの手この手でその幽霊を動かそうとしてみたらしい。
幽霊に殴りかかってみたり、棒を振り回してみたり。
目の前で変な顔して笑わそうとしてみたり。
ありとあらゆる手を考え実行してみたが、やっぱりその幽霊の目は虚空(海の先)を見たまま、体も微動だにしません。
そんな日が何日が続き、いい加減もう飽きてきた(止めようか)なぁと思い、何気なしに幽霊の顔を覗き込んだその時。
虚空を見つめていた目が、不意にその友人をギロッと見た(目が合った)。
「!!!」
これはマズい!と直感で思い、その場を速攻で逃げ帰ったそうです。
そんな事があった数日後、いつもの様に麻雀の誘いがあり、なんだか嫌だなぁと思いつつも、その後どうなったのか気になり、海岸沿いの道を通って友人宅に行く事になりました。
海岸に差し掛かった時、例の幽霊の姿が見えません。
「居なくなったのか」と、ちょっと安心してその日はいつもの様に麻雀を楽しみ帰宅しました。
「さて、寝るかな」と布団に潜り込んでウトウトしていると、人の気配がします。
因みにその人は一人暮らしで同居人は居ません。
まさか・・・。
人の気配のする方を見てみると、海岸に居た幽霊が部屋の中に居ます。
そして、その目は自分をジーっと見つめています。
「連れて来てしまった!」(正確には、捕り取り憑かれたのですが)と、恐怖で動けなくなり、その日は布団を被って朝まで震えてたそうです。
朝になり、布団の隙間から幽霊の立っていた位置を見ると、もうその姿は見えません。
「助かった~」と思ったのも後の祭り。
その日から、毎晩その人の部屋に姿を現すようになってしまいました。
最初は恐怖でひたすら震えていたのですが、何せ眠れない為に寝不足なぐらいで、身体供に異常がありません。
幽霊を海岸で見つけた時に取った行動から解るように、「恐怖」から「部屋から追い出す」に気持ちが変わっていました。
しかし、海岸でも何も出来なかった事から、今回も何をやっても変化がありません。
変化があったと言えば、幽霊の立ってる位置が、その人の布団にじょじょに近くなってきている事ぐらいです。
ついに、立っている位置がその人の枕元になった時点で、無視して生活する事に決めました。
実際、友人に説明しても友人には見えず、また寝てるときに常に幽霊に見下ろされている状態を除けば実害が無いわけですから。(自分はこの時点で、その人も変な人だと思いますが)
そんな状態が数ヶ月続いたある日、その人は遠方に出張で一ヶ月ほど出る事になりました。
出張先ではその幽霊も出ず、久しぶりに解放されたような感じがして仕事に励んでいたのですが、出張もはや2週間が立とうとしたある夜、出てしまいました、その幽霊が。
出張先まで憑いて来てしまいました。
「また逆戻りだ」と思ったのですが、やっぱり無視して普通に生活をしていました。
出張も終わり、地元に帰って来て数週間経ったある日、友人数人と待ち合わせをして遊びに行く事になりました。
待ち合わせ場所に向かい、既に到着していた友人に「お待たせ!」と挨拶をしたのですが、妙に友人の態度がよそよそしい。
「どうかしたの?」と聞いたら、「後ろの女の人誰?」との返答が。
まさかっ!と思い、頭だけ回して後ろを見てみると、例の幽霊が立ってます。
そうです。
ついに、昼間までその姿が見えるようになってしまいました。
もう駄目だと観念し、友人に事情を説明した所、お払いをした方が良いのでは?
という話になり、お払いをしてもらった所、その幽霊は出てこなくなったそうです。
と、長々と書き込みさせてもらいました。
まぁあまり怖くも無いのですが、何が怖いというのはその伯父の友人。
幽霊に憑かれたまま数ヶ月もそのまま一緒に暮らしてた根性が恐ろしかったものでしで・・・。