学生時代の話です。
家賃もそこそこのアパートに住んでいました。
値段の割には綺麗な部屋だったので気に入っていましたね。
ただ、ちょっと問題がありました。
心霊現象付きだったのです。
だから、安かったんだね。
基本は夜24時頃からのラップ音、まれに接触ぐらいでした。
私はラップ音がしても「気のせい、家鳴りだ」と自分に言い聞かせていました。
でも、聞こえてる音が明らかに壁を叩いてる音。
パンパンパンって感じです。
接触は寝てる時。
顔の上1センチぐらい上を撫で回す感覚と手を触ってきます。
しかし、5月頃には慣れてしまいました。
ラップ音は時計代わり。
壁を叩く音が聞こえてきたら風呂に入ろうって感じです。
その日は前期テストの時期にレポートに追われていました。
一般教養のレポートが3つ重なって死にかけていましたね。
だが、奴はいつも通りにチョッカイを掛けてきました。
ボロ雑巾のように寝ている私の顔の上を撫で回してきたのです。
疲れ果てていた私は猛烈にイラつきました。
3か月も同じ現象の中にいると、気配が解るようになってきていたので起き上がり「死ね!」っとその気配に向かって拳を叩きつけました。
すると、何も無い空間のはずなのに手に何かを殴った感触が・・・。
生まれて初めて幽霊を殴りました。
目を凝らすと布団の隣に茫然とした顔の男がいました。
「え、人がいてるの?」
慌てて電気をつけたところ、その人物は明かりが点いた瞬間、部屋から消えました。
茫然とした顔のまま。
この日以来、心霊現象はぴたりと収まりましたが、キャンパス内や駅構内バイト先で数々の幽霊を見るようになりました。
幽霊に触った事で何かのスウィッチが入ったのかな・・・と思いつつ、フワッと生きてます。