早速だが俺の唯一の恐怖体験を書く。
信じる信じないはあなたの勝手だ。
夏頃の話。
その頃俺は週に一回コインランドリーで洗濯をするのが習慣だった。
その週は土日が忙しく、洗濯に行ったのがもう月曜日の午前1時をまわっていたのを覚えている。
団地の外れにあるそのコインランドリー、昼間には近所の奥様方が家族の洗濯物を乾燥機に掛けに来るなどして賑わうのだが、夜遅くなるとまるで人気が無くなる。
まぁ自分としてはしょっちゅう夜中に洗濯するので特に薄気味悪いとかは無かったのだが・・・。
利用者は俺一人だった。
いつもの様に洗濯物を機械に入れ、ランドリー内のベンチに腰掛け雑誌を読んでいた。
すると不意に出入口の自動扉が開いた。
そちらを見るが・・・誰も入って来る様子はない。
扉は閉まる。
また暫くして扉が開く。
やはり誰も入って来ない。
扉が閉まる。
何回も繰り返す。
きっと光に集まる蛾か何かに反応しているのだと思ったが、ふと防犯カメラのモニターに目をやると・・・若干乱れた画面に黒い縦長の筋の様なモノが5~6本写っている。
そいつらが自動扉の内と外を往ったり来たりしているのだ。
普段心霊現象に全く縁がない俺がそんなモノ見るとは思わなかった。
怖くなって洗濯物放置したまま家までダッシュした。
何か憑いて来る様な気がして気味が悪かったが、今のところ祟りみたいなのには遭っていない。