母が命名した妖怪カラコロ

カテゴリー「心霊・幽霊」

一応自分が実際に体験した話。
正直、聞いてる分には全然怖くないかもしれんけど。

専門学生の頃に深夜専門でコンビニのアルバイトをしてた時期があるんだが、ある日の1時頃に駐車場の掃除をしてたんだが道路を挟んだ向こう側のほうで何か乾いた物を引き摺る『カラカラカラ』って音が聞こえてきたんだよ。

最初は、「こんな時間に酔っ払いが木の枝でも引きずってあるいてんのかな?」と軽い感じで捉えてたんだが、通り過ぎていったと思ったら、また戻ってきてと往復を繰り返してる事に気づいたんだよ。
しかも移動スピードが徐々に加速していて明らかに在り得ない速度で移動してる。
流石に気持ち悪いなと思ったんだが、勤務時間はその日は3時までだったから駐車場掃除はそこそこにして店内に戻ってバイトを続けてた。
んで、勤務時間も終わって深夜3時に店を出たんだけど、その時には音も止んでて気のせいだと思って自転車に乗って家に帰ってたんだ。
けど、少し店を離れた位からまた『カラカラカラ』って聞こえてきた。

びびって少し早めに自転車を漕ぐが、音は明らかに俺に付いてきてる。
俺の家はバイト先の店から10分位しか離れてないから、ここはむしろ焦って行動した方が危険だと思って、早めにでも慎重に自転車を漕いでいく。

音は俺から10m以上は離れてるがぴったりと付いて来る。
家の近くの所まで来てあと角を3つ曲がったらすぐに家に着くという距離まで来たとき、一つ目の角を曲がった途端、音は急に俺の真後ろまで接近した。

『カラカラカラ』という音が『ガラガラガラ』と大きく背後で鳴り響いた時は流石に全身から鳥肌が立った。

緊張はピークにまで達してたけど、もう家まであと少しという所まで迫っていたから振り返りたい気持ちを必死で堪えて兎に角自転車を漕ぎ続けた。
そして家の門が見えた時には、すぐさま飛び込んだ。

家まで着いたという安心感か、びびりながら振り向いた先には拍子抜けだろうが何もいなかった。
その次の朝には家族に深夜にあった事を話して笑われた。
が、その日のうちに俺は自転車でこけて左ひざの靭帯が切れる怪我を負ってしまった。

幸い切れたのは後十字靭帯でめちゃくちゃ痛かったが、歩けたので家族とその日のうちにお払いにいったよ。

母からは「妖怪カラコロ」とか変な名前を付けられたそれは家族の間で暫く茶の間を賑わす話題になってた。(俺が怪我したのにw)

それから、4年くらいたった去年の事なんだが兄(長男)から唐突にこんな話をされた。

兄「あの当時にさ、お前には言えなかった事があるんだけど実はその音は俺も聞いてるんだよね。大分昔なんだけど次男(これも兄)にさ、『何か気持ち悪い音が聞こえるから一緒に聞いてくんない?』って言われて、一緒に部屋で外の音聞いてたら確かになんかお前が言ってたような音が聞こえて、二人して気持ち悪いなって話してたんだわ」

俺「ちょ、言えよ!」

兄「だって、うちの周りで聞こえてたんだぞ、そんなこと言ったら余計びびらすだけだと思って言えなかった」

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