遊び半分で行ってしまったツケ

カテゴリー「心霊・幽霊」

昔の話なんだけど・・・。
六甲山のある場所から見ると、峠にある地蔵が手を振ってるように見える場所がある、そういう噂話があったんだ。
ま、よくある肝試しスポットで行ったヤツも多かったし、別にどうってことないと思ってたんだ。

ある日のこと、俺と俺の先輩、先輩の彼女とその友人の女の子の4人で遊んでいたんだ。

先輩「なあ、お前ら知ってるか?六甲山の手振り地蔵って」

俺「あ、聞いた事ありますけど~、行った事ないヽ(´ー`)ノ」

女性陣「え?なになにそれ~?」

俺&先輩「行ってみる?」

ええ、勿論先輩の友人と仲良くなりたかった俺のため、話の流れに若干の仕込みはあったわけなんですよ。
時計は午後9時。
一行は高速道路を飛ばして一路六甲へ、ナイス先輩。

車を走らせながら先輩がこわ~い話をいっぱいしてくれたりするんです。
俺も負けじと怖い話を返して・・・車の中は怖いムードいっぱい・・・女性陣がかなりビビっております。
更に話を続けると・・・はい、やりすぎました、女性陣がマジで怒りだしました。
怖すぎた模様・・・。

とりあえず先輩と俺は精一杯なだめモードに。
誠意とジョークでなんとか友人の方は機嫌が直ってきたみたいなんですが、先輩の彼女がかなりムスっとしている様子。
俺と先輩と友人の3人でなんとかなだめつつ車は六甲山のふもとにたどり着きました。

先輩の彼女はムスっとずっと無言。
先輩はマズィな顔。
後部座席の俺と友人は困り果ててます。

いつの間にやら場は、先輩の彼女のご機嫌を取る会になりつつ六甲山を車で登っていく一行。
ようやく目的地に着きました。
彼女もちょっとは機嫌が直ったのか、皆と一緒に車を降りて歩き出した。

「あのお地蔵さんかな?」

「別に動いてないじゃん」

「ま、こんなもんだよね~」

車を降り、ちょっと階段を登った先から件の地蔵は見えました。
やっぱり雰囲気あってちょっと怖い。
怖さ紛らわせつつ、おのおの適当に言いながら先輩の彼女の様子を見ます。

・・・やっぱり無言。
単に怒ってるのか?
怖すぎるのかな?
判断につかなくって困り果てる・・・。

とりあえず、全員で車に戻って帰路に着いた。
そして途中で何か食べて帰ろうかって先輩が言い出した。

先輩「何にしよーか?」

俺「あ、何でもいいですよ~」

友人「あたしも何でもいいです」

先輩の彼女「・・・・・・」

まだ無言、困り果てる俺と友人。
で先輩がちょっとイラつきだしたみたい。

先輩「おい!お前何が食べたいんだ!?」

彼女「・・・・・・・」

先輩「おい!!」

彼女「あたし・・・・・」

彼女「あたし、あんたの肉食べたい・・・」

一同、「はあ?」

一瞬送れて、ぞっと鳥肌が立ちました。
・・・ちょっと待って、目がいっちゃってるよ、彼女?

一同ここから無言で地元の俺の車の駐車場へ。
彼女の友人は俺の車で送って、彼女は先輩が送っていきました。

友人を送りながらも、俺は何を言えばいいのか何も浮かばなかった。
先輩の彼女の友人も同じく一言も喋らなかった・・・。

翌々日、先輩から連絡があった。

昨日の朝(翌日の朝)、あいつの母親から電話があった、昨夜何があったのかと。
先輩の彼女、心が完全に壊れてしまっていたそうです。
その日から精神病院へ・・・。

何を言っても反応せず、一日中ぼ~っと壁を見て、たまに一言。

「あたしのタマしらない?」などと意味不明な事を今なお言ってるそうです・・・。

心霊スポット、遊び半分で行ったツケにしては大きすぎです。

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