うちの地元はニュータウン地域なんだが、もうボロボロな団地ばかり。
今では老人が住む町に変貌してるようなところなんだよね。
で、小学校2年くらいだったかな?季節は夏真っ只中。
放課後いつも遊んでいるメンバー8人くらいで冒険と称して遊びに出たんだ。
まぁ冒険といっても地元から2kmぐらいしか離れてないところなんだけど、団地群の端の方で隣には雑木林があるような雰囲気的には最悪な感じのとこ。
昭和80年代って感じ。
で、その雑木林をみんなで歩き回って楽しんでたんだ。
んでもう日が落ちてきたし帰るかってことで帰路についた。
夕暮れ時ってやつ?黄昏時ってやつ?
まぁそんな雰囲気の中、帰路についてたんだ。
皆でワイワイ帰ってた。
そしてある団地の前を通りかかったんだよな。
場所は、雑木林から歩いていくとちょっと隔離されたような団地が二棟あって、その傍ら。
そのふた棟は横に並んでるんだけど、正面以外は雑木林というか木に囲まれていて空気が重い。
なんつーか、夕闇通り探検隊ってPSソフトがあるんだけど、まさにあんな感じ。
正面の道路は普通の道路でそこを歩いてたんだ。
そしたらどっからともなく女の子笑い声が聞こえてきた。
俺は「え?」っと思って回りを見渡しても誰もいない。
うちら8人に女の子なんていない。
どっから声がしているのかその声の主を探したんだ。
そしたら、その団地の2階の窓から女の子が網戸越しにこっちを向いて、まさに「ケラケラ」って声だして笑ってたんだ。
また、その女の子が不気味。
何が不気味かって、その女の子の部屋は真っ暗。
部屋の奥は何も見えない。
そんななか窓際の女の子だけがピンク色の服着て笑ってる。
何秒か見とれた後、俺は周りに伝えようと思ったけど、何人かそっちの方見てて、明らかに女の子の存在に気付いているんだ。
そして、立ち止まった何人かが黙ってそっちの方を見てるものだから、気付いてなかった子達もそっちの方を見出した。
そして、やっぱり皆何秒か見とれてた。
そしたら中の一人が「うわーーーーーー!!!!!」って言って走り出したものだから、皆も叫んで走り出した。
この時、俺はローラーブレード履いていたので、勢いあまって転んだんだが必死の速さで起き上がり走った。
そして皆で普段いつも遊んでいる自宅の下の団地で囲まれている公園にたどり着いた。
そして勿論皆、「幽霊だ!幽霊だ!」騒ぎ始めた。
まぁ得意になったんだろうな・・・知り合いのおばちゃんにも「幽霊がいた」って教える始末。
餓鬼は性質が悪い。
おばちゃんは軽く流してた。
んで、しばらくして建設的な会議が始まった。
そして「明日は休みだから、あの家をもう一回調べに行こう」って話になった。
仲の良い俺とその他2人で明日の朝その家を調べに行くことになった。
翌日、朝そのいつもの公園に集まり3人でその家に向かう。
そして、その問題の団地に着いた。
さすがに晴天だし、朝なので不気味な気配はなかった。
んで、手始めにポストを調べることになったんだ。
俺は、ヘタレだから前の道路にいてポストは友達が調べていた。
すると友達が、「20×号室だよねー?」と尋ねてきたから「うん、そうだよ!」と部屋が何号室か分からないのに答えた。
「ちょっときて」と友達が手招きするから一応ポストのところに行ってみた。
「これさぁ。。。。」と友達が指を指したのはその家のポスト。
なんか丸いシールが張ってあった。
よく見てみると「移転:○○」と名前が書かれていた。
この丸いシールは引越す際にそこに名前を書き、新たにそこに居住する人が入ったら剥がされるというもの。
つまり、20×号室は引っ越したあとで、居住者も居ない。
つありあの女の子は、何者?マジで幽霊?
一瞬理解出来なかったが、分かった瞬間凄い怖かった。
鳥肌が立ち逃げ出したくなった。
が、意外と回りの2人は冷静で「2階に上がってドアの前まで行ってみようぜ」なんて言いやがった。
正直行きたくなかったが、二人が行くもんだから渋りながらも着いて行った。
そして二階に上がり20×号室の青い扉の前に立った。
これといって何もない。
友達は新聞の投かん口を空けて中を覗いている。
数秒後、投かん口を見ていた友達が猛烈な速さで階段を駆け下り逃げていった。
と、同時に、俺も猛烈な勢いで逃げ出した。
3人で何処へ向かっているのかは分からないが取り合えず走った。
多少走って人通りがある場所に出てやっとそこで皆落ち着いた。
「なにがあったの?」と俺は投かん口を覗いてた子に聞いた。
「いきなり顔に風がきたからビックリした」と、彼は言った。
「風だけかよ」なんて思っていたけど、その日は無風で物凄く暑かった。
更によくよく考えてみると、空家なため窓は全て閉まりきっているはず。
その答えを皆で出したとき、皆黙ってしまった。
本当に寒気がした。
昨日は「幽霊だー!」ってテンション上がっってたのに、この現実を知らされた3人のテンションはガタ落ち。
本当に笑ってられなかった。
そして次に学校に行ったとき結果を皆に伝えた。
何人かはもう既に友達から聞いて知ってたみたいだが、盛り上がりは半端なかった。
「今日放課後行こうぜ」見たいな話が行ってない面子であがっていたが俺ら3人は行くのを拒んだ。
次の日、行った面子は「本当に引っ越してた。俺らが見たのマジで幽霊?」とか神妙な面持ちで言ってきた。
8人全員同じものを見ているんだから間違いはないだろう。
勿論その後、俺らの学年では幽霊団地が話題になった。
それで全く同じ幽霊を見たなんて奴がちょこちょこ居た、中にはお線香の匂いが凄いしたとか言ってたけど、どいつもこいつも胡散臭い。
単なる便乗した目立ちたがり屋にしか見えなかったし、実際そうだろう。
実際、彼女見た俺ら8人は聞かれる以外もうその話をしなくなった。
実のところ、見てないから盛り上がれるのであって、見てしまったらもう幽霊以外のなにものでもなく、興味すら湧かなくなってたんだろう。
そうして、幽霊騒ぎは沈下していった。
以上です。