有刺鉄線の向こう

カテゴリー「心霊・幽霊」

去年のお盆に七人ぐらいで地元では超有名な心霊スポットに行った。
そこはいかにもって感じの廃墟になった民宿で今までいろんな奴らが入ってその民宿は結構荒らされてました。

いつの間にかそこには有刺鉄線が付き、中に入るのがかなり困難になってしまいましたが、無理やりみんなでその民宿に入りました。

とりあえずグルっと回ってこようとしたとき、霊感が強い友人が「あかん!あかん!めっちゃこっち誘ってる。しかも隠れてる。俺しか見えへんのに。」とか言い出し、俺らは「ああ、またや。こいつまた俺らビビらそうとしてる。」とか思ってる瞬間、その霊感強い奴が出口にダッシュ!

それを見たほかのツレもダッシュ!
有刺鉄線関係なく、とりあえずダッシュして出口まで出てきました。

俺は着てた服が有刺鉄線で軽く破けてヘコんでいると、1人のツレが「あかん!ハット落としてきた。誰か一緒に取りにいかへん?」て言い出したので、とりあえず3人で取りにいくことにまりました。

すると霊感強い奴が「おい!ハットあきらめろ!もう帰るぞ!」と。

俺はズボンが破れたのにムカついていたのでそいつに「お前さっきからなにビビってんねん!お前がダッシュせんかったら俺のズボンもあいつのハットも無事やってんぞ!」ってそいつに食って掛かろうとしたとき、「お前あの有刺鉄線の向こう見てみいや。」と。

見てみるとその有刺鉄線の向こうで小さい子供っぽい人が妙にガラガラ声でツレのハットを人差し指で回しながら、「こいや。こいや。とりにこいや。」って。

あまりにもハッキリ見ちゃったので怖いの通り越して、ポカーンってなってた。
いざって言う時はそんな感じになっちゃうよ。

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