お前ら明日は海に近づくなよ

カテゴリー「心霊・幽霊」

10年近く前の悪ノリが、今年ある意味再発して怖かったので投下してもいいでしょうか。

だいたい10年くらい前に大学のサークルの夏合宿で千葉の内房のあるビーチに行きました。
登場田舎から出てきた俺は土地勘もそれ程なく、外房が波があって内房は穏やかだとか、そう言った知識はありませんでした。

そんな内房の海にサークルできて、海に行っても波もなく、地引網とかが行われている横でチャプチャプしていました。

そんな折、地引網漁船の漁師が「おい!溺れてるぞ!!」と叫びました。
それは俺達のいるすぐ横、波も全くない凪の海。
俺たちは恐らくその時点で絶命しているであろうその年配の男性を浜まで引いて戻りました。

「やべーよ、溺死体運んじゃったよ、超ビビったわ」等と妙なテンションで話しており、やがて救急車が到着し、その男性は何の処置も施されず救急車に乗せられ去って行きました。

「ああ、やっぱりあの時既に絶命していたんだ・・・」、とわかると同時に、不謹慎ながらも仲間といるとテンションも上がってしまい「死体さわっちったよー始めてだよ!ー」などと騒いでいました。

そこに地引網漁船に乗っていた人がやってきて俺達に言いました。

漁船の人:「災難だったな、もう引いた時にはなくなっていたんだろ?ありゃひっぱられたな。」

俺らは???て感じ。
なんのこっちゃと。

その漁船の人は、「お前ら明日は海に近づくなよ」と行って去って行きました。

その後、まぁカワイソウだったなとか、仕方ないとか言いながらも、こっちも学生だったので気持ちを切り替え、夜には飲み会を予定通り行い、昼の出来事なんてなかったかのように酒を飲んではしゃいで夏を謳歌していました。

深夜近くになり、ちょっと小腹が減ったといい、偶然昼に死体を運んだメンバーで車に乗り近くのコンビニを目指しました。
まぁ飲酒運転だが大目に見てくれ昔の話しだ。

で、コンビニに向かうのに海沿いを走るんだが、道中やはり昼の出来事の話になったっんだ。
そんな話をしながらコンビニを目指している最中に、車内全員が黙ったんだ。
酔ってテンションも高かったのに、全員、目を見開いて、固まってたんだ。

友達:「なぁ、女の声、きこえなかった?」

友達が言った。

俺:「聞こえた。。。」

全員聞こえてた。

俺:「なぁ、なんて聞こえた?」

俺が聞いた。
聴き間違えだと思いたかった。

全員:「左耳の耳元でまた、会えましたねって聞こえた」って。

「うおー!!!!!!!!!!」
「マジかよぜってー俺じゃねぇ!!」
「お前だろお前モテるし!!絶対お前だよ!!!生霊だお前のせいだ!!」

車内のイケメンに意見が集中しました。
「ぜってーお前だ、お前降りて海に謝ってこい!!」とか、お酒って怖いもの知らずになるんだね。
いやーびびった、とりあえず俺じゃないかから窓開けて俺じゃないことだけはアピールするわ!
「人違いですよー!!!!」とか叫んでた。

そのあと笑い話みたいになって、酔ってたし、そんなこと話のネタってだけで忘れてたんだ。
10年・・・。

で、今年・・・。

そんな事件のことすっかり忘れてたの。
お酒も随分飲んだし気のせいだったんだろうと。

彼女とドライブに行って、館山から内房回ってアクアライン使って帰る予定だったんです。
ちょっと館山ではしゃぎすぎてしまい、帰りが予定より遅れてしまいました。
例の海の近くに来た時、「そういえばあんなこともあったな・・・あの男性のご冥福を祈る」なんて思いながら車を走らせていると、聞こえたの。

「うふふ、また会えましたね」

全身変な汗でグッショリ・・・。

でも特に事故を起こすわけでもなく、無事に帰りました。
彼女には聞こえていなかったよう。

次の朝、海風にさらした車を洗おうと庭に出ると母ちゃんが絶叫してる。
何かと思うと、車の前と後ろにびっっっっっっっちり!!!手形。

現行のスカイラインクーペなんだけど、ボンネットけっこう長いのよ。
なのに、フロントガラス手前までびっっっっちり。

以上。

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