携帯からだけど。
マジ話。
今から十年前、当時小三だった俺は、仲のいい友達の家に遊びに行った。
その友達の家は農家で、街から少し外れにあり、俺を入れて四人で自転車で行くことにした。(以降俺、A、B、Cとします)
家に着いて友達が迎えてくれた。(以降、Dします)
着いてすぐ当時よくやっていたセガサターンで遊んだ。
それからセガサターンも飽きてきたころ、Dが「実は近くにやばそうな廃墟があるんだよね」と突然言い出した。
当時心霊系にめちゃくちゃ興味があった俺達は、セガサターンを止め話を聞いた。
小三だったので今まで肝試しをしたことがなかったし、テンションの上がった俺は「これは行くしかないしょ!」と、当然みんな賛成し自転車で向かった。
廃墟まで自転車で10分(田舎の10分は結構遠い)廃墟まではいくつか難所がある。
身代わり地蔵が五体並んでるとか、工場の溜池みたいなのがあって、そこでは事故が多発するとこで常に花が置いてあるとか・・・。
みんなテンションがおかしかったから、猛スピードで廃墟に着いた。
着いて間もなく血の気が引いた。
AとCはすぐに帰りたがった。
D:「とりあえず入ろう」
俺とBは賛成、AとCも賛成して入ることにした。
ドアを開けた「ギィィィ」と映画のような効果音がしたと同時に生暖かい空気を感じた。
意外な広さにびびりながら周りを見渡した。
みんな固まって歩いた・・・。
俺は最後尾で、DとBが先頭でまず台所のようなとこに向かった。
次に居間に行くと、それまで静かだったBが足を止めた。
居間に入ろうとしない。
B:「なにこれ!足動かん!」
他のみんなは居間に入っている。
Bからは涙がこぼれている。
しかもその涙は自然に出ている感じだ。
それを見てただ事じゃない!と思い、居間をで出てBを掴んだ瞬間・・・大きな音が家中に響いた。
その音は空襲警報みたいなサイレンのような音でみんな条件反射でしゃがんだ。
誰かが「台所!」と微かに叫んでるのが聞こえ、台所のほうを見ると、男が立っている・・・。
白衣らしきものを着て後ろを向いてる。
みんな耳を押さえながらそいつにくぎづけ。
その男はゆっくり振り返って、ポケットに手を入れて無表情でこっちへ向かってきた。
無我夢中で玄関へ走った!
動けなかったBも走ってた。
玄関に走り着いたが、ドアが開かない!
「やべーよ!」もう号泣。
その時サイレンが止んだ。
サイレンは止んだが足音が聞こえてる。
振り返ると白衣の男が目の前にいた!
みんな凍りついて立ち尽くした。
Dだけがドアを開けようとしていた。
白衣の男は奇声を上げるように笑い始め、それと同時にまたサイレンが鳴りはじめた。
その時ドアが突然開き、みんななだれるように外に出て自転車に飛び乗り逃げた。
逃げながら後ろを見るとドアが静かに閉まっていくのが見えた。
自転車で友達の家に逃げ着いて、友達のお母さんに訳を話したら叱られ、そのお母さんもその廃墟で不思議な体験をしたらしい。