小5のときマンションに引っ越したんだ。
そこは3LDKの普通のマンション。
ただひとつ珍しいのはアコーディオンカーテンがあったこと。
俺の部屋は、二つの部屋、キッチン、トイレ、風呂を順に通過して始めて玄関に到着する、つまり玄関から一番遠い部屋だった。
引っ越しの荷物も片付いたころ、父と兄は仕事でその日は俺と母二人だけがにいた。
俺は自分の部屋でテレビ見てたんだ。
そしたら急にテレビ消えて家中真っ暗。
風呂場から『ブレーカー落ちたんだと思うからあげてちょうだい』と母に言われ真っ暗闇のなかブレーカーのある玄関目掛けて歩いていった。
『うをっ!』
端っこに畳んであったアコーディオンカーテンにぶつかったらしい。
ビビって軽く脇汗かきながらブレーカーあげて電気回復に成功した。
脇汗ビッショリ。
部屋に戻ってテレビ見始めてからすぐに違和感に気付いた。
アコーディオンカーテンがいつもどうり右側に畳んであって、俺は玄関に向かう時左側を通ったはず。
その瞬間さっきの衝撃はアコーディオンカーテンにぶつかったときのものでないと理解した。
しかも自分より低い何かだと判明。
脇汗ビッショリ・・・。
あの日はひたすら脇汗ビッショリで、母が風呂上がって台所が騒がしくなってからじゃないと行動できなかったのを覚えてる。
そんでそれから7年後ぐらいに、久し振りに法事でじいちゃん家帰ったら歴代の家主?とか夫婦の写真とか6枚くらい飾ってあって、その中に唯一家族で写ってる写真があって、なんだかすごい気になって見てみたんだ。
その写真はお母さんらしき着物着た人が左に、お父さんらしき着物着た人が右に、真ん中に髪の長い、それこそ貞子みたいな女の子がニッコリ笑って写ってた。
正直お母さんらしき人とお父さんらしき人なんてどうでもよくて、やたら女の子が気になった。
というかその時点で絶対あのときぶつかったのはこの子だと感じた。
でも、それ以上詮索できなかった。
なぜなら脇汗が尋常じゃなかったし、基本的に霊感皆無な俺は敢えて怖い要素を増やしたくなかったから。
んでもひとつだけ聞いた話では、その女の子は母のひいじいちゃんの妹で、弟を欲しがってたんだと。
考え過ぎな俺だけど、いまもかわらず健康にやってます。