愛車のスポーツカーでのドライブが楽しくて仕方のないある夏の日だった。
日光をドライブして帰りの夕方、道が少し混んできたかな?ってくらいの時間だった。
俺と彼女は腹が減ってきたので夕飯でも食おうということになり、ファミレスを探していた。
少し大きめな交差点を過ぎるとひざと胸あたりが鈍痛に襲われた。
その時は疲れたのかな?って思ったけど痛みがなんていうか不自然だった。
打撲に似たような痛さで少しだるくなった俺は次に見つけたレストランに入ることにした。
「いらっしゃいませ。2名様ですね?」
ウェイターさんが俺と彼女がファミレスに入ると聞いてきた。
すると俺はなんの躊躇もなくごく自然に「いえ、3人です。」と返した瞬間ハッとし彼女と目を合わせた。
おかしい・・・。
何かが変だ。
自分の口で言ったのに他人がしゃべったような感じがした。
うまく説明できないけど他人に言わされたような感覚だった。
少し焦ったけど俺はすぐに「あ、すみません。2人です。」とウェイターさんに告げ席に案内してもらった。
席についた後も彼女と俺はなぜ人数を初め間違えたのか話さないで夕飯を終えた。
話しちゃいけない感じがしたんだ。
食べ終わって一息ついているとウェイトレスさんがきた。
「お水のおかわりはいかがですか?^^」と聞いてきたので「お願いします」と返事をした。
ウェイトレスさんは「かしこまりました^^」と言いキッチンのほうへ新しいグラスを持ちに戻った。
少しすると「お待たせしました^^」と言って新しいお水が入ったグラスを3つテーブルに置いていった。
ここで俺と彼女はお互いの顔を見合わせた。
俺たちは何かから逃げるように足早にレストランのレジに向かった。
駐車場で自分の車に向かって足早に歩いているとき、頭の中で「ついてくんな!ついてくんな!」と念じていた。
俺と彼女は車に乗り込みこのレストランから遠く離れるまで会話をしなかった。
その何かから逃げ切ったと変な実感が湧いた時彼女はうつむいて呟いた。
彼女:「2シーターなのに3人なんてありえないよね・・・」
俺は怖くてファビョリ気味っぽく「もう大丈夫だよ!もういないっ!!もういないよ!!!1」と言ってた。
これが俺の本当にあった怖い話。