アインシュタインもびっくり

カテゴリー「不思議体験」

去年の夏の話。

神奈川県内の某峠(夜景が綺麗で有名)含む3ヵ所くらいを俺と男2人、女2人の合わせて5人で心霊スポットめぐりにいったときの体験談。
その峠は野生の鹿にときどき遭遇するくらいモロ峠。
しかも外灯もほとんどないので夜間は真っ暗。
そのため夜景がものすごく綺麗に見えて、デートスポットなんかでは地元でちょっと有名な場所だった。
で、その一方で死体遺棄なんかの事件があったりして、「出る」なんていう噂もあったんだ。

俺はそれまでにも何回かその峠まで友人とドライブにいったりしてたんだが、あるときいつもの道を外れて脇道に入ったときに偶然公衆トイレみたいなもんを発見。
直方体の建物に扉が一つ、扉には「TOILET」の文字。

しかし、なんだか違和感感じる。
よく見たらトイレ全体に鎖がグルグル巻いてあって、おまけにごっつい南京錠がかかってるわけ。

4重か5重くらいかな?それで鎖自体も結構太い。
道自体は行き止まりだったもんでその日はそこで引き返した。
いったい何のための鍵だか見当もつかなかったし、まあこれでトイレとしての役割はなくなったんだが、ちょうど心霊スポットめぐりしようって計画を立ててたころだったので、俺と友人のDでシメたってことで後日心霊スポットめぐりで使うことにした。

当日。
俺とトイレ見つけたD、残りの女子2人と男1人でレンタカー借りてDの運転で相模湖のダムやら虹っ橋などの自殺名所めぐりののち峠へ。
ちなみにメンバー全員霊感はそれほどない。
唯一俺が無自覚に霊感ちょっとあるくらい。
ちなみに橋ではみんなでデジカメ、ケータイ、ポラで写真とりまくり。
俺の撮ったポラで本当に心霊写真が撮れてみんな変な盛り上がりかたしててハイテンションになってたw

深夜3時ころ、峠のトイレ到着。
まずDが持ってきた工具で南京錠を破壊。
心霊写真の件で盛り上がってたんで誰も止めるやついなかったな。
このトイレ、見つけたときは昼間で明るかったから気づかなかったけど夜に来るとなかなか雰囲気ありすぎ。
外灯もないし、トイレのなかも鍵かかってるくらいだからもちろん電気は通ってない。
懐中電灯がなかったら真っ暗。
わりと肝試しとか平気な俺だけどガチでちょっとビビるくらいだ。

肝試しの具体的な内容は、5人でジャンケンして負けた2人が10分間トイレに閉じこめられるというもの。
一応ジャンケンの前に安全確認のため俺とDで懐中電灯で中を照らして様子確認。
構造はいたってシンプルで駅のトイレみたいなもんで、中を覗いて左側に個室のトイレが3つ。
右側に鏡つきの手洗いが2つ。
正面の上方に小さなガラス窓があって、その右側に換気扇がついていた。

すいぶん使ってなかったためだと思うが・・・室内はホコリっぽく、損壊なんかは無かったが落書きだらけだった。
重複になるけど、電気も水も止まってた。

さて、いざジャンケン。
女子の一人がトイレ到着の時点で可哀想なくらいガクブルしてたんでその子抜きの4人でジャンケン。
結局俺と女子の1人が負けた。
持ち物はケータイとそれぞれ懐中電灯のみ。

実際に閉じ込められるとはっきりいってものっすげえええええ恐怖感。
女子がいる手前しっかりしないとって意識がなかったら叫びだしてたと思う。
たぶん女子も同じ気持ちだったんだろうな。

女子から手を繋ごうって言われたときはフラグうんぬん以前に普通にほっとした。
提案してくれてよかったわ。
あとずーっと2人でしゃべってた。

建前上一応探索したけどとくに変わったこともなく、トイレ内は普通に電波たってたし、普通の水洗の和式トイレだった。
鏡あんのは死ぬほど嫌だったんであんまり見ないようにしてた。

そんな感じでケータイ見ながら「10分て意外となげーなww」とかいいながら扉を背に女子と話してたら、今まで静かだったのに急に外のやつらが扉ドンドン叩きだした。
ビビらせんなふざけんなと思いつつ「何だよ!ww」というと、「おーいお前らダイジョブかー?いつまで入ってんだよー!」と。

俺&女子:「??」

言われてケータイの時計と腕時計を見るけど、まだ7分くらいしかたってない。

俺:「何が?10分間はここにいるって決めただろーが」

D:「は?!いや、だからじゃん。もう20分以上たってんし。」

俺&女子:「はあっ?」

俺と女子はお調子もんのDがびびらせようとしてるんだと思いかたくなにトイレから出なかった。
ところが最初冗談半分な感じで話してたDの声がだんだん冷静になり、さらに焦ったような感じに変わっていく。

D:「ちょっと、もういいから出てこいよ!」

時計を確認するとちょど10分たつころだったので、あくまで時間が経過したと思ったから、俺たちはトイレを出た。

俺:「ふざけんなよD~。お前が下手な芝居すんからこっちは興ざめだわ~ww」

ところがD、どうやらなかばキレ気味。

D:「お前らこそ下手な演技すんじゃねーよ!何分たったと思ってんだよ?ww」

なんだか話がかみ合わない。
いつまでも芝居を続けるDにイラついたので俺は腕時計を見せつつ「お前いい加減それやめろ。つまんねーし。まだせいぜい15分しかたってねーだろうが!w」というと、Dは「はっ?!!何だよこれ?何?!は?は?!」と取り乱し始めた。

まだやるか!と思って俺はいよいよ本気でムカついてDに本気でキレた。

俺:「おいD!お前マジでもう飽きたからそれ。いいから!」

D:「は?お前こそなにこんな手のこんだことしてんだよ?」

D:「おいC(トイレは入った女子)、ちょっと時計見せて。つか、ケータイも」

俺:「はいはい。んじゃあそっち3人も見せろや」

あまりにもDが譲らないから不毛だと思いつつここでトイレ突入組と待ち組でお互いにケータイと腕時計を見せあう。

直後、そしてお互い混乱とパニック。
ガクブル女子は本気で号泣。

突入組のケータイ、腕時計は突入からせいぜい20分しかたっていないのに、待ち組の時計は30分以上進んでいる。

わけがわからない。

とりあえず俺もCも時計をいじったりなんてしていない。
すると考えられるのは待ち組が共謀して腕時計とケータイの時間を早めたってことになる。

とりあえず女子が帰りたい、帰りたい、と号泣するのでとりあえず車にもどり本道に戻ることにした。

しかし俺はこの時点でもDたちの芝居だと思ってたわけで「タチ悪いな」とムカつきつつ車にもどった。

不穏な空気が流れる車内。
俺も、もしかして芝居でもなんでもなくて本当に時間にずれがでたのかもしれない?と思い始めていた。
そして俺は気づく。

「そうだ、車の時計があるじゃないか!それで確認しよう」

俺たち突入組みは絶対に時間はいじってない。
待ち組がいじったとしか考えられないんだ。
トイレ内にいるときもエンジン音は聞こえてこなかったし、エンジンがかかってない以上時計は正しい時間を表示するはず。

ところが。
カーナビに表示された時刻は、Dたちと同じ時刻をさしていた。
それだけじゃなく、俺が持ってきていたiPod的なやつの時刻もDたちと同じ時刻。
きわめつけにラジオから聞こえてくる時報も、Dたちと同じ時刻を流しやがったのだ。

ということは・・・?

そう、Dの言っていたこと、反応はすべて正しかったのだ。
トイレに入ってから時間は20分以上経過していた。
腕時計だけならまだしも、ケータイの時刻までずれていた。
俺たち2人はなにも細工していないわけだから、トイレ内だけ時間の経過のしかたが狂っていたのだ。

すべてに気づいて俺は絶句した。
そしてじわじわと恐怖がこみあげてきた。
帰りの車内はみんなもトイレ前のテンションとはうって変わって意気消沈だった。
どうしても信じられなくて帰宅してから家のありとあらゆる時計と照らし合わせてみたが、やはり俺の時計がずれていた。

心霊写真は別に怖くなかったけど、この奇妙な事態には本気でビビった。

後日Dと明るい時間に峠のトイレにいって、新しく買った南京錠で元のように鎖グルグル巻いて鍵しときました。
そんで鍵は林のほうに投げといたよ。
よく考えたらあのときは俺よりDの方が恐怖だっただろうなと今は思う。

どこかで霊をつかまえちゃったのか?それとも時空のひずみ的な場所だったのか?
まあわかんないけど霊感がある人間が全然いなかったのが唯一の救いだったと思う。
もしあったらなにが見えてたんだろうと思うと怖いわー。

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